塗り薬(ステロイド)商品の一覧
ステロイドは使っても良いの?
ステロイド使用にあたって重要なポイントは2つです。1つは、使い方。もう1つは強さです。使い方としては、短期集中が最も効果的な使い方です。ステロイドの副作用を怖がって少量を使ったり辞めたりすると効果が発揮できず、ダラダラ長期間使用しなくてはなりません。強さに関しても、部位によって皮膚の成分の吸収率は変わってくるので、部位・症状に合った強さのものを使わなくてはなりません。
短期的に、十分な強さのものを十分な量塗って、しっかりと隠れた炎症までとってしまうのがステロイドの正しい使い方です。
ステロイドは短期的に使用するのが推奨される薬です。もし、長期的にご使用で、脱ステロイドを考えておられる方にはステロイドの減らし方、体の中から改善していく方法(体質改善・漢方)をお伝えいたします。
1.部位ごとに適した薬剤があることを知る
皮膚の薄さや場所によって吸収の良さは異なります。
吸収率を重症度に合わせて使用する薬剤を選びます。
小児における副腎皮質ステロイド外用薬の部位別使用方法
塗布部位 | 安全な使用基準 |
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顔 |
乳児期: アトピー性皮膚炎の顔面症状は2歳までに軽快することが多く、白色ワセリンなどの保湿剤を用いることが原則です。 |
小児期: 顔面では、mild(Ⅳ群)以下を第1選択薬とする。しかし湿潤病変が中等度から重度の場合には、strong(Ⅲ群)を選択することがあるが、1週間以上の連用は避け、その後は間欠投与あるいは漸滅しながら保湿剤に切り換えます。 |
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外陰部 | Strong(Ⅲ群)を用いることもあるが、1週間以上の連用は避けます。 |
頭皮 | ローション剤を用いることが多いが、strong(Ⅲ群)以上が多く、使用量も多くなりやすいので注意する。頭皮は副作用に気づきにくいため、長期連用は避け、保湿ローションを第1選択薬とするか、副腎皮質ステロイド外用薬から切り替えます。 |
頸部、四肢関節屈面 | Strong(Ⅲ群)以上は2週間以上の連用は避けます。 |
ステロイド外用薬の場合、以下のように部位によって薬剤の吸収率が異なります。
ステロイド外用薬でも似たような傾向がみられますが、免疫抑制外用薬は皮膚の厚い手のひらや足の裏などでは特に吸収されにくく、効果が出にくいことがわかっています。
2.適切な量を塗る
ステロイド外用薬や保湿剤では目安としてFTU(フィンガーチップユニット)を使います。軟膏の場合、FTUは大人の人差し指の一番先から第1関節に乗る量で、0.5gに相当します(チューブの穴の直径が5mm程度の場合)。これを1FTUと呼び、大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗ることができます(体表面積の約2%)。
ローションの場合は、1円玉大が1FTUとなります。
FTUを目安に、自己判断で増減せずに常に医師に指示された量を塗るようにしてください。
副腎皮質ステロイド外用薬の選択基準と1回の外用量の目安
重症度の目安* | 選択基準 | 5gチューブで | |
軽症 | 面積にかかわらず、軽度の皮疹のみ |
全年齢: 腎皮質ステロイドを含まない外用薬(ワセリン、尿素軟膏、ヘパリン類似物質含有軟膏、亜鉛華軟膏、親水軟膏など)必要に応じてmild(Ⅳ群)以下 |
4本以内 |
中等症 | 2歳未満:Mild(Ⅳ群)以下 2~12歳:strong(Ⅲ群)以下 13歳以上:very strong(Ⅱ群)以下 |
有効成分が水に溶けにくく、吸収が遅い懸濁性のため使用前によく振る必要があります。 | 2本以内 |
重症 | 強い炎症を伴う疲疹が体表面積の10%以上、30%未満 | 2歳未満:strong(Ⅲ群)以下 2~12歳:very strong(Ⅱ群)以下 13歳以上:very strong(Ⅱ群以下) |
2本以内 |
最重症 | 強い炎症を伴う疲疹が体表面積の30%以上 | 2歳未満:strong(Ⅲ群)以下 2~12歳:very strong(Ⅱ群)以下 13歳以上:very strong(Ⅱ群)以下 |
全身塗布は4~5本必要 |
※厚生労働省研究班による重症度の目安
軽度の疲疹:軽度の紅斑、乾燥、落屑主体の病変
強い炎症を伴う疲疹:紅斑、丘疹、びらん、湿潤、苔癬化などを伴う病変