不妊の原因を知ろう!女性不妊、男性不妊治療について!
更新日:2021年12月17日
こんにちは!
大阪で処方箋なしで病院の薬が買える(零売薬局)アリス薬局の薬剤師 山田明里紗です。
不妊症・不妊治療について
目次
1.不妊とは
結婚しても、なかなか妊娠できない…。
子供が欲しいと思ったら、高齢出産と言われる年齢になっていた。
生理不順でいつが排卵日かわからない。
実はこういった悩みを抱えている方はたくさんいらっしゃいます。
現在、挙児を希望するカップルの10~15%が赴任であり、
なんと6組に1組の夫婦が不妊になやんでいます。
また、生活習慣や加齢は密接に関係しております。
「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで精交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。
そして、日本産科婦人科学会では、この「一定期間」について「1年というのが一般的である」と定義しています。
しかし、年を重ねることで、妊娠・出産に至る確率が低くなってくることから、この一定期間を待たないで、すぐに治療したほうが効果的である場合があります。
幸せに溢れた生活の中で、「不妊かもしれない」と不安に思うこともあるかもしれませんが、医療もどんどん進歩しておりますので、原因がわかれば、それに対する治療を受けることがあります。
明るい未来のために、お二人で不安を抱えず、まずは専門機関にご相談ください。
2.不妊の原因は?
不妊の原因は、男性側、女性側、あるいはその両方にある場合があります。
または、身体機能上、問題がない場合でも、食生活の乱れやストレスなどで、卵子や精子の質が低下し、妊娠が起きにくくなることがあります。
女性側の原因
1.排卵因子
女性は、妊娠をするために、毎月排卵と月経を繰り返しています。思春期を迎えると脳から命令が来て、「卵胞刺激ホルモン(FSH)」が分泌されます。
「卵胞刺激ホルモン」は卵巣に働いて、「原始卵胞」の中から一つ選び、一人前の「成熟卵胞」へと育て上げます。(約2週間)
その際、子宮では卵子を包んでいる卵胞から「エストロゲン(卵胞ホルモン)」を分泌され、受精卵が到着する準備のために子宮が増殖・肥厚します。
イメージとしては「エストロゲン」が受精卵のためのベッドをつくります。(増殖期)
「成熟卵胞」が育つと、今度は脳から「黄体形成ホルモン(LH)」を分泌するよう命令が来ます。そうすると卵胞から卵子が飛び出し、卵巣を出ていきます。これを「排卵」と言います。
卵子は卵管の先でキャッチされて、卵管に入ります。
卵管の一番太いところで精子が来るのを待ちます。
その際、子宮では、「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が分泌され、子宮内膜が着床に適した状態になります。
イメージとしては、プロゲステロンがベッドにふかふかの布団をしきます。(分泌期)
妊娠が成立しない場合、エストロゲン・プロゲステロンは減少し、子宮内膜は剥がれ、排出されます。(月経期)
逆に、受精が成立すると、受精卵は分裂を繰り返しながら、分泌期の子宮内膜に着床します。
受精卵は、ふかふかで栄養たっぷりのベッドで育つことができるのです。
規則的な月経のある女性の場合は、月経の約2周間前に「排卵」が起こります。
この排卵が数ヶ月に1甲斐の場合おきの場合を稀発性排卵、全く来ない場合を無排卵といいます。排卵は、ホルモンによってコントロールされています。正常にホルモン分泌を行うためには、脳の視床下部・脳下垂体・卵巣の3つが連動する必要があります。このどこかに異常があると、うまく排卵がおこならかったり、排卵周期が乱れてしまい、妊娠しにくくなります。
2.卵管因子
卵管は、精子が卵子へと向かう通り道であり、また、受精した卵が子宮へいくための道です。卵管は炎症などを起こすと、この道が詰まってしまい、妊娠は起こりません。
卵管が詰まる原因として、無症状の方もいるクラミジアや淋菌感染症による骨盤内炎症性疾患や、強い月経痛がある場合、子宮内膜症が潜在していることがありますが、この子宮内膜症の病変によって卵管周囲の癒着が起こり、卵管が詰まってしまう場合もあります。
3.頸管因子
子宮頸管は子宮の筒のような部分で、子宮のバリア機能をはたしています。排卵が近づくと、その筒の内部を満たす粘液が精子が貫通しやすいように変化します。
粘液は、おりものの状態でも確認することができ、透明で多量のサラサラのおりものであると、精子は侵入しやすく、ねばねばした少量のおりものであると、精子は進入しにくい状態になります。
したがって、粘液の分泌量が少なかったり、精子の貫通に適さない場合、妊娠が起こりにくくなります。
4.子宮因子
子宮筋腫や子宮の先天的な異常などにより、子宮内膜の血流が悪かったり、子宮内に過去の手術や炎症による癒着などがあると、子宮内に到達した卵が育つことが妨げられ、妊娠に至りません。
5.免疫因子
その他の原因
・黄体機能不全
排卵後には、プロゲステロンが卵巣から分泌されます。プロゲステロンは、子宮内膜の質を変化させ、受精卵が育ちやすい内膜をつくったり、基礎代謝を上げる働きなどがあります。基礎体温の高温期が10日異常続かず、高温期中期の血中プロゲステロン値が10ng/ml以下の場合、黄体機能不全と診断されます。
・抗精子抗体
血液の中に精子に対する抗体を持っていて、精子が入ってくると、体が外敵であると認識し、精子を攻撃したり、機能を妨げたり、動きを止めてしまうことがあります。数%の人が抗精子抗体を持っているといわれています。こちらは、原因不明の不妊と判断された際に、精密検査にて診断することができます。現在では体外受精が第一選択薬となり、他の原因で体外受精される妊娠率よりもかなり高い割合で妊娠されるといわれています。
・不育症
妊娠はするけども、流産を繰り返すことで、なかなか出産までたどり着けない症状です。
この場合、ホルモン値の以上や血液凝固系の異常、精神的なストレスが原因になることがあるので、それに対応した治療をします。
男性側の原因
男性の不妊の90%が造精機能障害と言われています。
こちらの障害は、精子を作り出す機能に問題があります。
精子の数がすくなかったり、精子の運動機能が乏しい場合、妊娠しない原因となります。
他にも、精管の一部がつまってしまう閉塞性精子症や、成功時に十分な勃起が得られない勃起不全(ED)などがありますが、人工授精・体外受精・顕微授精等の不妊治療を行うことで、受精・妊娠することができます。
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薬剤師
山田 明里紗
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