【妊活知識】妊娠できる確率はどれくらい?
更新日:2021年11月08日
こんにちは!
処方箋なしで病院の薬が買える薬局(零売薬局)アリス薬局の薬剤師 山田明里紗です。
妊活を始めたけれど、なかなか妊娠できず「もしかして不妊症?」と不安を感じている方も多いでしょう。 しかし、多くの人が思っている以上に、自然妊娠の確率は高くありません。 妊娠は、奇跡だとも言えるほど、偶然の繰り返しによって成り立っているのです。 本記事では、妊娠の確率や、妊娠が奇跡だと言える理由について、ご紹介したいと思います。
自然妊娠の確率
妊娠の確率は、年齢によって異なります。 若い人の方が妊娠の確率が高く、年齢が上がるにつれて、妊娠の確率は低くなります。 これは、年齢と共に生殖機能が衰えていくからです。 女性の場合は、年齢が上がると卵子の数が減少し、卵子の質も低下します。 男性も、年齢と共に、精子運動率や精液量が低下する傾向があるのです。 下記は健康な男女が、妊娠しやすいタイミングで性交渉を行った場合に、妊娠が成立する年代別の確率です。
・20代前半→約30%
・30代前半→約20%
・35代後半→約10%程度
・40歳→約5%以下
1年以上妊娠しない場合は受診を
一般的には、避妊せずに性交渉を行っていると、約半年から1年以内に妊娠すると言われています。 妊娠を希望し、避妊をせずに通常頻度で性交渉を行っていても、1年以上妊娠に至らない場合は「不妊症」である可能性が高いです。 前述の通り、妊娠の確率は年齢と共に低下しますので、できるだけ早く専門医を受診されることをオススメします。
妊娠の仕組み
妊娠の確率が、それほど高くないのは、妊娠はいくつかの過程を経て成り立つからです。 これらの過程のどこかで、1つでも問題が生じた場合は、妊娠に至りません。 ここでは、妊娠の仕組みについて、ご紹介します。
排卵
まずは、女性の体で「排卵」が起こります。 排卵とは、卵巣の中で2cm程度に成長した卵子が、卵巣の表面から飛び出すことです。 排卵した卵子は、卵管へ移動します。 排卵は、月経開始日の約2週間後に起こり、排卵が始まると基礎体温が上昇し、約2週間、高温期が続きます。 最も妊娠しやすい性交渉のタイミングは、排卵日の前日と排卵日です。 そのため、基礎体温や排卵日予測検査薬などで排卵日を予測し、そのタイミングで性交渉を行うと良いでしょう。
射精
性交渉で、精子が膣内に射精されます。 精子は、子宮頸管を通って子宮内に入り、卵管内の卵子を目指しながら進んでいきます。 しかし、全ての精子が、卵子に辿り着くわけではありません。 女性の体内での、精子の寿命は約72時間だと言われています。 その間に、卵管内の卵子に出会わなければならないのです。 精液の中に、元気な精子が多く存在している方が、卵子にたどり着く精子の数が多くなるため、妊娠の確率が上がります。
受精
卵子に辿り着いた複数の精子が、卵子を取り囲み、そのうちの1つの精子が卵子の中に入ることで「受精」となります。 受精で出来た受精卵は、卵管内で細胞分裂を繰り返しながら、子宮に向かって移動していきます。
着床
子宮内に辿り着いた受精卵は、ぷかぷかと浮いた状態で着床のタイミングを見計らっています。 そして、胚盤胞という状態になったら、子宮内膜へ潜り込み根を張ります。 これを「着床」と言い、着床すると妊娠が成立します。 受精から着床までの期間は、約1週間です。
このように、様々なタイミングが全て合わなければ、妊娠は成立しません。 こういった事からも、妊娠は奇跡に近いと言えるのです。
妊娠の確率は年齢と共に下がる!計画的な妊活を
今回ご紹介したように、健康的な男女が避妊をせずに性交渉を行っても、妊娠の確率は決して高いものではありません。 さらに、妊娠の確率は年齢と共に低下するため、妊娠を望む場合は計画的に妊活を行うことが大切です。 これから妊活を始める方や、現在、妊活中の方は下記の記事も参考にしてみてくださいね。
薬剤師
山田 明里紗
この記事を書いた人
専門家の紹介