黄体ホルモンとは?働きや黄体機能不全について
更新日:2021年12月14日
こんにちは!
大阪で処方箋なしで病院の薬が買える(零売薬局)アリス薬局の薬剤師 山田明里紗です。
黄体ホルモンの働き
・着床の為の準備をする
・妊娠を維持する
・体の体温を上げる
黄体ホルモンの分泌が悪くなると
黄体の働きがよくないと、排卵後に十分な黄体ホルモンが分泌されず、黄体が早々と退化して高温期が維持できなくなります。
・不妊や着床障害
・流産
・生理不順
・不正出血
西洋医学の治療
西洋医学では、
・ホルモン補充
黄体ホルモンを補充するため、デュファストンなど
・性腺刺激ホルモン
黄体機能を刺激するためのhCG注射
・排卵誘発剤
卵胞の発育を促すクロミッドなど
根本の原因は?
①FSH(卵胞刺激ホルモン)分泌低下
↓
卵胞発育不全
↓
②LH(黄体形成ホルモン)分泌低下
↓
黄体発育不全
↓
③子宮内膜感受性低下(子宮内膜がきちんと成長していない・薄い)
①~③の過程のいずれの段階で問題が起こることが原因で、また複雑にいろいろな原因が重なっているなど、人によって様々ではありますが、大きな原因は卵胞の発育が十分ではないことで起こります。
つまり、排卵がうまくいかず、卵胞が黄体化できないために分泌が低下するものであるので、つきつめれば卵の質が悪いことになります。
黄体機能不全の診断基準
黄体期の黄体ホルモン(プロゲステロン:P4)値が10mg/ml未満
・子宮内膜が薄い(8mm以下)
他に、
・高温期が短い(10日未満)
・高温期と低温期の差があまりない(0.3℃未満)
・高温期の途中で低温へ落ち込む
・生理の量が少ない
・生理期間が短い
などで判断することができます。
東洋医学での治療
漢方では黄体機能不全は「腎虚」が主な原因と捉えます。
「腎」は成長・発育・生殖を司る臓になります。
腎の機能が低下する
↓
卵胞の発育が低下する
↓
黄体の機能が低下する
↓
黄体ホルモン分泌低下
↓
着床障害・妊娠が維持できない
また「腎虚」に伴い、子宮への血流が不足するため、質のいい卵を育てるための栄養素
が運ばれないことになります。
黄体機能不全の有効な生薬
腎の働きを高め子宮の血流を改善する生薬は
・鹿茸(鹿のやわらかい角)
・紫河車(胎盤・プラセンタ)
・海宇アマ(タツノオトシゴ)
などの動物生薬が強力な効果を発揮します。
特に高温期が短い方は、温める作用のある補腎薬を低温期で服用、動物性の生薬で黄体ホルモンの働きをサポートするロクジョンを服用する周期療法がおすすめです。
薬剤師
山田 明里紗
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