おりものが多いのは妊娠初期症状?排卵期との違いは?
更新日:2021年11月16日
こんにちは!
処方箋なしで病院の薬が買える薬局(零売薬局)アリス薬局の薬剤師 山田明里紗です。
おりものは、女性の体の変化を表すサインだと言えます。
普段は、あまり意識しない方も多いかもしれませんが、おりものの変化に目を向けることで、体調の異変などに気づきやすくなるため、妊活中はぜひ、おりものをチェックするようにしてみてください。
本記事では、女性のおりものと、生理周期や妊娠との関係について詳しくご紹介したいと思います。
おりものとは?
そもそも、おりものについて、よく知らないという方も多いのではないでしょうか。
おりものは、子宮や膣、汗腺からの分泌物が混ざりあった粘液のことです。
まずは、おりものの役割について、ご紹介したいと思います。
おりものの役割
女性のおりものには、主に2つの大きな役割があります。
膣を清潔に保つ
1つ目は、膣の中を綺麗な状態に保とうとする、自浄作用があります。
つまり、おりものには、膣を通して細菌が体の中に侵入するのを防ぐ役割があるのです。
受精を助ける
おりものは、静止がスムーズに子宮に到達できるようにする役割もあり、排卵期に受精の手助けをしているのです。
このように、おりものは女性の体にとって大切な役割を担っていて、妊娠(受精)にも影響を与えています。
生理周期とおりものの変化
女性は、生理周期によって、おりものも変化します。
おりものは、女性ホルモンの影響によって、量や状態が変化しているのです。
女性ホルモンの一種「卵胞ホルモン(エストロゲン)」の分泌と、おりものの量は比例しており、卵胞ホルモンの分泌が多くなる時期には、おりものの量が増えることが一般的です。
ここでは、生理周期による、おりものの変化について、ご紹介します。
卵胞期
生理直後(卵胞期前半)は、おりものの量が最も少なく、さらっとしていて、時々、経血が混ざり茶色いおりものが出ることがあります。
卵胞期後半になってくると、卵巣の中の卵子のもととなる「原始卵胞」が成熟します。
成熟卵胞からは、卵胞ホルモン(エストロゲン)が多く分泌されるため、おりものの量も増えてくるのです。
排卵期
排卵期は、成熟卵胞から卵子が排出される時期です。
この時期は、エストロゲンの分泌量が増えるため、最もおりものの量が多くなります。
排卵期のおりものの特徴は、透明で臭いは強くなく、さらさらしており、弱アルカリ性です。
排卵期のおりもの状態は、精子が泳ぎやすい環境だと言えます。
つまり、排卵期のおりものは受精の手助けをしているのです。
黄体期
黄体期は、排卵後の卵胞が黄体に変化する時期です。
この時期のおりものは、プロゲステロンというホルモンの影響で、排卵期に比べ、徐々に少なくなってきます。
少し白っぽく濁った色の、ドロっと粘度の高いおりものが出やすい時期です。
これは、精子にとって泳ぎにくい環境で、受精しにくい時期だと言えます。
その他にも、異物などが侵入しないような環境になっているのです。
生理前
生理前になると、また少し、おりものの量が増えることがあります。
また、生理前のおりものは臭いがキツく感じる人も多いようです。
妊娠初期はおりものに変化がある?
妊娠すると、おりものの量や臭いに変化を感じる人もすくなくありません。
それは、妊娠が成立すると、卵胞ホルモンの分泌が増えるからです。
これにより、おりものの量が増えることもありますし、臭いが変化することもあります。
ただし、これは個人差が大きく、医学的根拠も無いと言われています。
しかし、実際には、おりものの変化で妊娠に気づいたという方も多いため、人によっては妊娠初期に、おりものの変化があると言えるでしょう。
注意が必要なおりものの状態
おりものの変化の中には、注意しなければならないものもあります。
おりものに、下記のような変化が見られた場合は、早めに専門医を受診してください。
・血が混ざっている
・黄緑色のおりもの
・ボソボソとしたカッテージチーズのようなおりもの
・かゆみや痛みを伴う場合
・臭いがキツい
妊娠初期におりものの変化がある人も!ただし、おりものだけで妊娠の判断はNG
今回ご紹介したように、ホルモンバランスの変化によって、妊娠初期のおりものが、いつもと違うという人も多いようです。
ただし、おりものだけで妊娠の有無を判断することはできません。
おりものは、女性の体の状態を表すサインでもありますので、体調の変化に早めに気づくためにも、日頃からおりものをチェックするようにしてみてください。
薬剤師
山田 明里紗
この記事を書いた人
専門家の紹介