ナウゼリンの成分・効果・副作用について徹底解説!
更新日:2021年12月18日
こんにちは!
大阪で処方箋なしで病院の薬が買える(零売薬局)アリス薬局の薬剤師 石井結衣です。
今回は、吐き気止めで有名な「ナウゼリン」の成分や効果について詳しく解説していきます!
ナウゼリンは消化管運動改善薬です
【成分】
1錠中
ドンペリドン 10mg
D2受容体阻害薬と呼ばれるグループのお薬です
D2のD=ドパミンという意味です
CMで、「あれ?ドーパ民いない?」のあのドパミンです。笑
神経から神経へ命令を伝達するための「神経伝達物質」で、運動調節、精神活動、ホルモン分泌など、様々なところで働いでいます。
なので、ドパミンが出れば出るほど幸せ!体に良い!というわけでは、決してありません。
【効果効能・用法用量】
消化器症状(悪心、嘔吐、食欲不振、腹部膨満、上腹部不快感、腹痛、胸やけ、あい気=げっぷ)
成人:1回10mgを1日3回食前
小児:1日1.0~2.0mg/kgを1日3回食前
【メカニズム】
①消化管運動を活発にするメカニズム
D2受容体を遮断して、アセチルコリンの放出を促進し、消化管運動を活発にします。
詳しくご説明すると・・・
アセチルコリンとは、神経伝達物質で、胃や腸の運送を活発にします。アセチルコリンの働きが強まれば、消化管の運動が活発になります。
アセチルコリンの分泌を抑制している受容体が「D2受容体(ドパミン受容体)」です。なので、D2受容体が刺激されると、アセチルコリンの放出が減ります。
D2受容体が阻害されれば、アセチルコリンの分泌は増加します。
D2受容体(阻害×)→アセチルコリン(増加↑)→消化管運動(活発↑)
②吐き気を止めるメカニズム
ナウゼリン(ドンペリドン)は、脳の嘔吐中枢に作用して吐き気を止めます。
詳しくご説明すると・・・
脳には、刺激されると嘔吐を引き起こす「嘔吐中枢」があり、その近くにCTZと呼ばれる部位があります。
CTZが刺激されると、嘔吐中枢に刺激が伝わって嘔吐が引き起こされます。
CTZにあるD2受容体を阻害すれば、嘔吐中枢への伝達を阻害することができるので、嘔吐を抑制することができます。
【副作用】
主な副作用と発現頻度は以下の通りです。
・下痢、便秘、胸やけ、嘔吐等の消化器系(0.4%)
・乳汁分泌、女性化乳房等の内分泌系(0.2%)等
冒頭でも書きましたが、ドパミンは運動調節・精神活動・ホルモンなど、様々な働きと関わります。そのため、脳に直接作用するお薬は様々な副作用や飲み合わせに注意が必要です。
ナウゼリン(ドンペリドン)はCTZに働きますが、脳への移行性は低いため、脳やホルモンに関わる副作用は少ないとされています。(CTZは脳へお薬などが移行する関門の外にあります)
薬剤師 アリス薬局代表
石井 結衣
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