ヨガによる妊娠力アップ
更新日:2021年11月27日
こんにちは!
処方箋なしで病院の薬が買える薬局(零売薬局)アリス薬局の薬剤師 山田明里紗です。
妊活中は適度な運動を取り入れることで、妊娠力アップに繋がるのでオススメです。
中でも、ヨガは妊活に良い効果をもたらすと言われており、産婦人科やヨガ教室など様々な場所で「妊活ヨガ」が注目されています。
本記事では、妊活ヨガの効果やポイントについて、ご紹介したいと思います。
ヨガが妊活に与える効果とは?
まず始めに、ヨガが人の生殖能力や生殖補助医療(ART)の結果に良い影響を与え、ARTの成功率を高めるといった研究結果が発表されるなど、ヨガは妊娠力アップに期待できる運動だと言えます。
しかし、ヨガそのものが、不妊症を治すといった医学的根拠は現在のところありません。
ただし、不妊に繋がる体の不調は、ヨガを行うことで改善されることも多く、結果的に妊娠に繋がりやすいのです。
つまり、ヨガで不妊症を治すというよりは、ヨガで妊娠しやすい体を作ると考えるのが良いでしょう。
ヨガが妊活に与える効果は、大きく下記の3つに分けることができます。
自律神経を整える
1つ目は、自律神経を整える効果です。
自律神経とは、活動時に活発になる「交感神経」と安静時に活発になる「副交感神経」からできていて、循環器や消化器、呼吸器などの活動を調整している神経のことです。
交感神経と副交感神経のバランスが乱れることで、様々な体の不調が現れるため、普段から自律神経を整えておくことが大切です。
特に妊活中はストレスが溜まりやすく、その結果、自律神経が乱れやすい状態になっています。
自律神経が乱れることで、ホルモンバランスも乱れやすくなり、高プロラクチン血症の原因にもなります。
高プロラクチン血症は、卵胞の成長を止めたり、排卵障害を引き起こしたりするため、妊活中方は注意しなければいけません。
ヨガの基本である「深い呼吸」を取り入れることで自律神経を整えることができ、その結果、妊娠力アップに繋がります。
血流の改善
2つ目は、血流を改善する効果です。
妊娠しやすい体作りには、血流を良くしておくことが、とても大切です。
特に、骨盤周辺の血流が滞ると、不妊に繋がりやすくなります。
血流を促すことで、卵巣へ栄養が行き渡りやすくなり、その結果、質の良い卵子を生み出すことに繋がるのです。
また、子宮への血流が良くなると、子宮内膜が厚くなり着床しやすくなります。
ヨガには、骨盤周辺を動かすポーズも多いことや、深い呼吸を取り入れることなどから、血流改善の効果が期待できます。
さらに、血流を促すことは、冷え性改善にも繋がるため、妊活中は血流を良くしておきましょう。
不妊と冷え性の関係について、詳しくは下記の記事をご覧ください。
女性ホルモンの分泌を促す
3つ目は、女性ホルモンの分泌を促す効果です。
女性の排卵や月経、妊娠などには、全て女性ホルモンが影響していて、ホルモンバランスが乱れることで月経異常や無排卵、不妊など様々な不調に繋がるのです。
女性ホルモンを分泌している視床下部は、ストレスに弱いことがわかっています。
さらに、流産率にもストレスホルモンは強く関係しているため、妊活中はできるだけストレスを溜めず、リラックスした状態で生活することが望ましいです。
前述のように、ヨガには自律神経を整える効果があり、ストレスを軽減することができます。
その結果、女性ホルモンの分泌を促し、ホルモンバランスを整え、妊娠しやすい体を作ることができるのです。
妊活ヨガのポイントは呼吸法
妊活ヨガでは「深い呼吸」を行うことが、重要なポイントです。
深い呼吸を行うことで、自律神経を整えたり、血流を改善したり、ホルモンの分泌を促すことができるからです。
ヨガの基本となる「完全呼吸」は下記の方法で行いましょう。
1.背筋を伸ばし、鼻からゆっくりと息を吸う(この時、肋骨を広げ、お腹を風船のように膨らませるつもりで行うのがポイントです)
2.たっぷり息を吸ったら、鼻から細く長く吐く(この時は、お腹を徐々に薄くし、肋骨を閉じていくイメージで行いましょう)
呼吸中は、他に意識を向けず、ただ呼吸だけを意識するようにしながら、上記を5〜10回程度繰り返します。
妊活ヨガは男性にも効果あり
不妊の原因は女性だけでなく、男性に原因があることも少なくありません。
2017年のWHOの調査では、不妊症のカップルのうち48%は男性に原因があることがわかっています。(男女両方に原因がある場合も含む)
女性同様、ストレスは男性不妊にも大きく影響をあたえています。
男性は、ストレスを強く感じることで、性機能障害や、造精機能障害に繋がる可能性があるからです。
男性も妊活中にヨガを取り入れることで、自律神経を整え、ストレスを軽減できるため、男性不妊にもヨガは効果的だと言えます。
男性不妊について、詳しくは下記の記事をご覧ください。
関連記事:男性不妊の原因や年齢との関係について
薬剤師
山田 明里紗
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