十味敗毒湯の効果とは?ニキビに効く?薬剤師が解説
更新日:2021年12月18日
https://www.kotaro.co.jp/iryou/seihin/download.html
※上記画像は小太郎漢方製薬株式会社の製品情報サイトから引用しています。
こんにちは!
処方箋なしで病院の薬が買える薬局(零売薬局)アリス薬局の薬剤師 小林由佳です。
最近、コロナ禍でマスクによる肌荒れのご相談が増えてきています!
塗り薬で治しても繰り返しニキビが出来て困っている人は多いのではないでしょうか。ニキビが出来なくなる体質に出来たらいいですよね。体質改善といえば漢方薬で、ニキビの体質改善としてよく使われる漢方としては十味敗毒湯です。そこで今日は十味敗毒湯とは何か、十味敗毒湯は本当にニキビに効果があるのか、どんなニキビに効果があるかなどを解説していきます。
目次
十味敗毒湯とは
十味敗毒湯は、名前の通り10種類の生薬から構成されています。以下の10種類の生薬の力で皮膚の病気(化膿性疾患)を敗毒(毒素をなくす)することができることから十味敗毒湯と名付けられました。
十味敗毒湯の内容
十味敗毒湯6g中
サイコ3.0g
オウヒ3.0g
キキョウ3.0g
センキュウ3.0g
ブクリョウ3.0g
ドクカツ2.0g
ハマボウフウ2.0g
カンゾウ1.0g
ショウキョウ0.3g
ケイガイ1.0g
が配合されております。
十味敗毒湯の効果
上記生薬の働きにより皮膚の赤みや痒みを発散し、腫れや化膿を抑えてくれ、またそのようになりやすい体質を改善してくれます。またそれぞれの生薬の働きですが主に3つのグループに分けて説明することができます。
〈かゆみを除く生薬〉
体表部の血管を拡張して血行を促進し発汗・発散を強めて皮膚をきれいにしてくれる生薬として、センキュウ・ドクカツ・ハマボウフウ・ケイガイが挙げられます。
〈化膿を改善する生薬〉
皮膚の炎症や毒素を取り除いてくれる生薬として、サイコ・オウヒ・キキョウ・カンゾウが挙げられます。
〈水のバランスを整えてくれる生薬〉
利水の働きで皮膚の炎症による分泌物を取り除いたり、腫れを軽減してくれる生薬としてブクリョウ・ショウキョウが挙げられます。
引用:小太郎漢方製薬株式会社 十味敗毒湯
https://www.kotaro.co.jp/kampo/shohou/jyumi.html
十味敗毒湯はニキビに効果がある?
ニキビができる原因として性ホルモン、毛穴のつまり、皮脂分泌の増加、アクネ菌の増殖などが関係していると言われており、性ホルモンの影響で皮脂腺が発達し皮脂が多すぎたり、毛穴の出口が詰まったりすることで毛穴の皮脂がたまってしまうことから始まります。
またニキビは大きく4種類にわけられ白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビに分類されます。
白ニキビはニキビの初期段階といわれる状態で、毛穴に皮脂が詰まって白っぽく見える為「白ニキビ」と呼ばれます。次に黒ニキビですが白ニキビが少し進行した状態で毛穴に詰まった皮脂が表面に出て空気に触れて酸化し、黒っぽく見えることから「黒ニキビ」と呼ばれます。そして赤ニキビですが、黒ニキビがさらに進行し炎症を起こした状態です。皮膚が赤く盛り上がるので「赤ニキビ」と呼ばれます。最後に黄ニキビですが、赤ニキビがさらに炎症を起こしニキビの中に膿をもった状態で黄色く見えることから「黄ニキビ」と呼ばれます。ですのでニキビが進行する順番としては白ニキビ→黒ニキビ→赤ニキビ→黄ニキビの順番で悪化していきます。
十味敗毒湯は読んで字のごとく毒素を排出する薬です。なので特に化膿しているようなニキビに効きます。また、ニキビの中でも赤く炎症をおこした赤ニキビ、膿をもった黄ニキビに効果があるといわれています。
引用:maruho ニキビの原因と種類
https://www.maruho.co.jp/kanja/nikibi/step1.html
十味敗毒湯の湿疹・蕁麻疹への効果
ニキビだけでなく湿疹・蕁麻疹にも効果があります。
十味敗毒湯は、患部が湿潤型でじゅくじゅくしている時に、たまっている「水(すい)」や熱を発散させて、肌を正常にしていく処方なので湿疹や蕁麻疹にも適応があり広く使用されています。
用法・用量
以下はコタロー十味敗毒湯エキス細粒の用法用量です。
通常、成人1日6gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
引用:コタロー十味敗毒湯添付文書
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200070C1037_1_11/
十味敗毒湯の副作用
頻度は稀ですが人によっては副作用が出る場合もあります。
胃の不快感、食欲不振、吐き気、下痢、発疹、発赤、かゆみなどの症状出る場合がありますのでこのような症状が見られた場合は服用を中止して医師または薬剤師にご相談下さい。
また、十味敗毒湯に含まれている甘草ですが一日の上限値が定められており甘草として7.5gです。他の漢方も併用されている場合は上限値を超える可能性もございますので甘草の合計1日服用量にお気を付けください。
甘草の服用量が7.5gを超えると偽アルドステロン症とういう副作用が起こる可能性がございます。
偽アルドステロン症とは?
血中のアルドステロン(血中のナトリウムやカリウムの濃度を調整する副腎皮質ホルモン)の値がそれほど高くないにも関わらず、アルドステロンが過剰に分泌された時と似た症状を示すものです。
具体的な症状としては、筋肉痛、けいれん、脱力感、四肢麻痺、むくみなどの症状が現れます。
十味敗毒湯は妊娠中・授乳中にも飲める?
妊娠中の投与に関する安全性は確立されていないので妊娠・授乳中の方は、医師・薬剤師に相談し治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合のみ服用するようにしてください。
妊娠中に特に注意しないといけないダイオウや強い活血剤(血の巡りを良くする)は含まれていないので、万が一間違えて服用してしまってもそんなに慌てることはありません。
十味敗毒湯があう人
体力が中間程度で以下の症状がある方
・患部がじゅくじゅくしたニキビ
・化膿を繰り返すニキビ
・腫れ、赤みなどの皮膚症状がみられる方
このような方は一度十味敗毒湯を服用されてみることをおすすめします。
ご購入希望の方はこちらのLINEかお問い合わせフォームからどうぞ
十味敗毒湯は粉薬?錠剤もある?
十味敗毒湯は粉薬も錠剤もどちらも商品があります。
ドラッグストアなどで取り扱いがあるOTC医薬品と病院などで取り扱いのある医療用医薬品とありますが、医療用医薬品の十味敗毒湯はOTC医薬品よりも生薬のエキス含有量が約2倍程度多い為、医療用医薬品を服用する方がより効果が感じられると思います。
また、医療用医薬品でもメーカーによってエキス含有量が違います。
医療用医薬品の漢方薬の代表的なメーカーとして「クラシエ」「ツムラ」「コタロー」がありますが、エキスの含有量をそれぞれ比べてみると
クラシエ十味敗毒湯エキス細粒
1日量6g中
サイコ2.5g、キキョウ2.5g、センキュウ2.5g、ブクリョウ2.5g、ドクカツ1.5g、ボウフウ2.5g、オウヒ2.5g、カンゾウ1.5g、ショウキョウ1.0g、ケイガイ1.5g
ツムラ十味敗毒湯エキス顆粒
1日量7.5g中
サイコ3.0g、キキョウ3.0g、センキュウ3.0g、ブクリョウ3.0g、ドクカツ1.5g、ボウフウ1.5g、カンゾウ1.0g、ショウキョウ1.0g、ケイガイ1.0g
コタロー十味敗毒湯エキス細粒
1日量6g中
サイコ3.0g、キキョウ3.0g、センキュウ3.0g、ブクリョウ3.0g、ドクカツ2.0g、ハマボウフウ2.0g、オウヒ3.0g、カンゾウ1.0g、ショウキョウ0.3g、ケイガイ1.0g
それぞれの含有量を比べてみると、総合的にコタローの十味敗毒湯が一番生薬のエキス量が多く含まれていることがわかります。
また、コタローは細粒なので顆粒剤のツムラよりも溶けやすく飲みやすいという特徴もありますので医療用医薬品の漢方メーカーでおすすめです。
十味敗毒湯で体質改善するには?食生活のアドバイス
また十味敗毒湯を服用して体質改善をすることと一緒に食生活の改善も見直していくとより効果的です。
体質改善をするうえで重要な栄養素
・肌の材料となるたんぱく質
・肌の新陳代謝を促したり皮脂量をコントロールしたりするビタミンB2・ビタミンB6
・肌に必要なエラスチン、コラーゲンの生成を促進してくれるビタミンA
・ストレスによる肌のバリア機能の低下を防いでくれたりニキビ跡や色素沈着を薄くしてくれる働きのあるビタミンC
・血行を促進し肌荒れの解消を助けるビタミンE
・便秘の改善に役立つ食物繊維
などの栄養素を積極的に摂取するようにしましょう。
それぞれの栄養素に含まれる食品
・タンパク質→肉や魚、卵、大豆・大豆製品、牛乳・乳製品
・ビタミンB2→卵、肉、納豆、レバー、サケ、海苔
・ビタミンB6→マグロやカツオ、サケ、肉、バナナ、にんにく、ごま
・ビタミンA→レバー、卵黄、ニンジン、うなぎ、モロヘイヤ、ほうれん草
・ビタミンC→アセロラ、レモン、キウイフルーツ、ゆず、グレープフルーツジュース
・ビタミンE→アーモンド、落花生、かぼちゃ、モロヘイヤ、ほうれん草、豆乳
・食物繊維→いも類、豆類、海藻類、きのこ、バナナ
これらの食品を積極的に摂取してニキビを繰り返さない肌を作っていきましょう!
メーカー情報
コタロー十味敗毒湯エキス細粒の詳細についてはこちら
製造販売元
小太郎漢方製薬株式会社
小太郎漢方製薬株式会社の製品説明はこちら
薬剤師
小林 由佳
零売薬局とは?
「処方箋なしで、病院のお薬が買える薬局」のことです。
病院のお薬は、医療用医薬品と呼ばれ、ドラックストアなどで買える一般用医薬品よりも比較的効果の高いものが多いです。
その中で、美肌・美白、アレルギー、胃、肝臓のお薬や解熱鎮痛剤、ビタミン剤、漢方薬などは、病院で処方箋を書いてもらわなくても薬局で直接購入できます。
血圧・糖尿病のお薬や向精神薬など、取り扱いの難しいお薬は、必ず処方箋が必要になります。
購入の流れ
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(直接ご来店でも、もちろん可能ですが、事前に在庫の有無などご相談いただければお待たせすることなくご案内可能です。)
②ご来店
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保険証は不要です。(処方箋調剤の場合は必要です。)
③問診票のご記入
今飲んでいるお薬との飲み合わせや既往歴についてご不安な方はこちらでご記入ください。
④お薬の説明
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