不妊の原因にも!無排卵の生理【無排卵月経】とは?
更新日:2021年11月16日
こんにちは!
処方箋なしで病院の薬が買える薬局(零売薬局)アリス薬局の薬剤師 山田明里紗です。
「そろそろ赤ちゃんが欲しい」と思って、妊活しているにも関わらず、なかなか妊娠できないと不安になりますよね。
不妊の要因には、様々な理由が考えられますが【無排卵月経】が原因となっている可能性もあります。
本記事では、不妊の原因の1つである、無排卵月経について、ご紹介したいと思います。
生理がきていても無排卵の可能性がある
「私は毎月、生理がきているから大丈夫」
このように、生理がきている=排卵していると考えている方も多いでしょう。
しかし、生理がきていても排卵が起こっていない可能性があるのです。
排卵が起こらず、月経のような出血がおきている状態を「無排卵月経」と言います。(医学用語では無排卵性周期症)
無排卵月経は自覚症状が無いことが多いため、妊活しているにも関わらず、なかなか妊娠に至らない場合には、無排卵月経になっていないか確認することをオススメします。
無排卵月経かどうか判断する方法
無排卵月経かどうか判断するためには、まず、生理周期や基礎体温を確認することが大切です。
生理周期が長すぎたり、短すぎたり、バラバラな場合は、無排卵月経の可能性があります。
また、基礎体温を記録していて、低温期と高温期の2層に分かれていない場合も、排卵が起きていない可能性があるため注意が必要です。
生理周期や基礎体温については、下記の記事に詳しくまとめていますので、ご確認ください。
参考記事:妊活スタート!生理周期の目安を知ろう
参考記事:【妊活】基礎体温の正しい測り方とは?
その他にも、経血の量が少ないといった特徴がありますので、気になる場合は一度、婦人科等の専門医を受診しましょう。
無排卵の生理が不妊の原因となる理由
妊娠は、女性の体内で排卵された卵子に、精子が受精し、子宮内膜に着床することで成立します。
そのため、女性の体で排卵が起きていない場合、妊娠することができません。
妊娠を希望する場合は、早めに無排卵月経に気づき、適切な治療を行うことが大切です。
また、年齢が上がるにつれて、自然妊娠の確率は低下しますので、無排卵月経を放置しないようにしてください。
妊娠確率について、詳しくはこちらの記事をご確認ください。
参考記事:【妊活知識】妊娠できる確率はどれくらい?
無排卵月経の原因
不妊の原因にもなる無排卵月経は、なぜ起こるのでしょうか。
ここでは、無排卵月経の原因について、ご紹介したいと思います。
視床下部機能異常
まず、視床下部機能異常による、ホルモンバランスの乱れが考えられます。
視床下部という、女性ホルモンを分泌するための指令を送っている場所に異常が生じ、ホルモンバランスが乱れることで、無排卵月経が起こっている可能性があるのです。
視床下部機能異常は、急激なダイエットや、睡眠不足、運動不足やストレスなどが原因となりますので、注意が必要です。
多嚢胞性卵巣症候群
多嚢胞性卵巣症候群という疾患が、無排卵月経の原因になっている場合もあります。
多嚢胞性卵巣症候群とは、卵巣内の男性ホルモンが多いことが原因で、卵胞の成長が途中で止まり、たくさんの小さな卵胞(嚢胞)が卵巣にとどまってしまう病気です。
20歳〜45歳の女性の5%〜8%にみられると言われており、決して珍しい病気ではありません。
無排卵以外にも、ニキビや多毛などの症状がみられるといった特徴もあります。
高プロラクチン血症
プロラクチンと呼ばれる、乳汁分泌ホルモンが、妊娠中でも産後でもない時期に過剰に分泌されることを「高プロラクチン血症」と言います。
プロラクチンには排卵を抑制する働きがあり、産後の授乳期間中に生理が起こりにくいのは、プロラクチンが多く分泌されているからなのです。
高プロラクチン血症の原因は、腫瘍やストレス、薬の副作用などが関係しており、結果的に無排卵月経に繋がっている可能性があります。
無排卵月経の治療法
現在、無排卵月経が続いているからと言って、この先ずっと妊娠できないというわけではありません。
ただし、放置していると妊娠できない可能性が高いですので、適切な治療を行うことが大切です。
ここでは、無排卵月経の治療法について、ご紹介します。
生活習慣の改善
多嚢胞性卵巣症候群や高プロラクチン血症などの疾患が見られず、視床下部機能異常が起きている場合は、生活習慣を見直すことで改善されることもあります。
この場合は、すぐに排卵が起こるというわけではなく、体質改善を行っていきながら、通常の生理が来るのを待つということになります。
そのため、すぐに妊娠を希望する人への治療としては、不向きだと言えるでしょう。
排卵誘発剤
すぐに妊娠を希望する場合は、排卵誘発剤を使用した治療を行います。
内服薬や注射などの排卵誘発剤を使用して、排卵を促しますので、他の治療法に比べ、早く結果が出やすいです。
ただし、排卵誘発剤の使用は、卵巣過剰刺激症候群といった副作用が生じる可能性もあります。
ホルモン治療
卵胞ホルモン(エストロゲン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)などを補充する、ホルモン治療を行うケースもあります。
上記は、カウフマン療法と呼ばれるもので、下垂体を刺激することで排卵を促す治療法です。
漢方薬の服用
漢方薬の服用によって、無排卵月経を治療する方法もあります。
ただし、無排卵月経の原因や体質によって、服用する漢方薬が異なりますので、漢方に精通した薬剤師や医師に相談して処方してもらうことが大切です。
アリス薬局では、漢方に精通した薬剤師が充分にカウンセリングを行い、お客様のお悩みに合わせた漢方薬をご提案させていただきます。
また、アリス薬局が運営している当サイト「妊活情報.com」では、薬剤師のカウンセリング(通話・LINE)や漢方薬の購入をオンラインで行うことが可能です。
家にいながら、安全に漢方薬を服用することができますので、ぜひ、ご活用下さい。
参照:排卵障害の治療(排卵誘発法)/銀座レディースクリニック
参照:女性側の不妊原因 その1.排卵障害の診断方法と治療方法/はるねクリニック銀座
薬剤師
山田 明里紗
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