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妊娠前に受けておきたい検査【子宮頸がん編】

更新日:2021年11月16日

こんにちは!
処方箋なしで病院の薬が買える薬局(零売薬局)アリス薬局の薬剤師 山田明里紗
です。

妊活を始めるなら、赤ちゃんを迎えるための体作りが重要です。

妊娠、出産に備えて、健康的な体を維持しておかなければなりません。

そのためには、検査で体に不調が無いか調べておくことも大切です。

妊娠前に受けておきたい検査は、いくつかありますが、本記事では【子宮頚がん】の検査について、詳しくご紹介したいと思います。

子宮頸がんとは

子宮頚部は、女性の膣から子宮に繋がる細長い部分のことです。

この、子宮頸部にできる”がん”のことを「子宮頸がん」と言います。

原因

子宮頸がんの主な原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)への感染であると言われています。

HPV(ヒトパピローマウイルス)は、一般的に性行為によって感染するということがわかっており、性交経験のある女性のうち過半数の人は、一生のうち一度は感染する機会があるとも言われているのです。

ただし、HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染しても、多くの人(約90%)は自然に排除されます。

しかし、免疫力が低下しているなど一部の人(約10%)はHPV感染が長期間持続し、自然治癒しない場合、子宮頸がんへと進行してしまうのです。

症状

基本的に、子宮頸がんは初期の場合、ほとんど自覚症状はありません。

進行するにつれて、不正出血や性交時の出血、おりものの増加、下腹部痛などの症状が現れることがあります。

このような症状がある場合は、早めに婦人科などの専門医を受診しましょう。

患者数

厚生労働省の発表によると、2017年の日本国内で、子宮頸がんの患者数は年間で約11,000人だったそうです。

さらに、2018年に子宮頸がんが原因で亡くなられた方は、約2,800人だというデータがあります。

年代別の患者数では、20代後半から増えていて、30代後半から40代が最も多いそうです。

妊娠前に子宮頸がん検査を受けるべき理由

女性は妊娠すると、妊婦健診で「子宮頸がん」の検査を行います。

日本対がん協会の調査では、2017年度の1年間、妊婦健診で子宮頸がんが見つかった人が234人もいるそうです。

しかし、妊娠してから初めて「子宮頸がん」の検査を受けるというのは、オススメできません。

実際に、日本対がん協会なども、妊娠を希望する前に子宮頸がん検診を受けることを推奨しています。

ここでは、妊娠前に子宮頸がん検査を受けるべき理由について、ご紹介します。

初期症状がない

子宮頸がんは、初期であれば、ほとんど自覚症状が無いため、自分ではなかなか気づけません。

そのため、妊婦健診で初めて「子宮頸がん」だと診断される人が多いのです。

症状が出にくい「子宮頸がん」を早期発見するためには、妊娠前から子宮頸がん検診を受ける必要があります。  

適齢期の女性に多い

近年、子宮頸がんは20代〜30代の若い女性に増えています。

20代〜30代であれば、妊娠を望む人が多い年代でもありますよね。

そういったことからも、妊活中の女性は、子宮頸がん検診を受けておくことが大切なのです。

早期発見が大切

子宮頸がんは、早期発見が重要です。

早期発見であれば、治療が可能で、比較的治癒しやすい”がん”だと言われています。

また、早期発見であれば、子宮を温存したまま治療をすることも可能です。

ただし、妊娠してから「子宮頸がん」が発見された場合、病気の進行具合によっては、中絶せざるをえないこともあります。

そのため、妊娠前に子宮頸がんの検査を受けることが、とても大切なのです。

子宮頸がん検診について

妊娠前の子宮頸がん検診が重要だということは、わかっていただけたと思います。

しかし、初めて子宮頸がん検診を受けるという方は、不安に感じることもあるでしょう。

ここでは、子宮頸がん検診について、解説していきたいと思います。

検査対象

現在、厚生労働省や日本医師会では、20歳以上の女性に「子宮頸がん検診」を受けることを推奨しています。

これは、子宮頸がんが他のがんに比べ、20歳後半から30代と、比較的若い世代の方にも多く確認されていることが理由です。

検査費用

子宮頸がん検診にかかる費用は、検査を受ける方法や、お住いの自治体などによって異なります。

自治体によっては、検査費用を補助してくれることもありますので、まずは、お住いの自治体に問い合わせてみるのが良いでしょう。


詳しくは下記を参考にしてください。

各自治体のがん検診窓口/日本医師会

検査頻度

子宮頸がん検診は、2年に1度の頻度で受けることが推奨されています。

これは、子宮頸がんの進行スピードが、比較的ゆっくりなためです。

毎年検査を受けても、隔年で受けても、予防効果は変わらないと言われています。

子宮頸がんはワクチンで予防できる

子宮頸がんには、ワクチンがあり、接種することで90%以上の確率で予防することができます。

子宮頸がんワクチンは、初交前に接種する方が効果が高いと言われており、小学6年生〜高校1年生の女の子であれば、国の定期接種の対象ですので、全3回のワクチンを無料で接種することが可能です。

もちろん、成人女性でもワクチンを接種することは可能で、効果もあります。

ただし、定期接種の対象ではありませんので、約5万円程度の費用が必要です。(全3回合計)

また、ワクチンには副作用のリスクもあるため、現在、厚生労働省では「子宮頸がんワクチン接種」の積極的な勧奨は行っていません。

ワクチンを接種するかどうかは、有効性とリスクを十分に理解した上で判断してほしいと、呼びかけています。

妊娠前も出産後も子宮頸がんの検査を忘れずに

妊娠前も出産後も子宮頸がんの検査を忘れずに

今回ご紹介したように、20歳を超えたら、2年に1回は子宮頸がんの検査を受けるようにしましょう。

2年に1回、子宮頸がん検診を受けることで、万が一の場合も早期発見に繋がり、命や子宮を守ることができます。

これから妊娠を希望する人だけでなく、出産後も子宮頸がん検診を、忘れずに受けるようにしてくださいね。

 

参照:HPVワクチンQ&A/厚生労働省 

参照:子宮頸がん検診Q&A/認定NPO法人はままつ子育てネットワークぴっぴ 

参照:子宮頸がん/日本産科婦人科学会 

参照:子宮頸がん検診Q&A/日本医師会 

参照:「妊婦健診」で子宮頸がん発見 1年間で少なくとも234人/NHKニュース 

この記事を書いた人

専門家の紹介

薬剤師山田 明里紗

薬剤師
山田 明里紗

製薬会社勤務にて、ビタミン様物質、腸の免疫学的製剤を担当し、「腸」の状態が健康だけではなく、美容や精神面にも大きく影響していることを実感。 その後、インナービュティープランナー、栄養カウンセラーの資格を取得。 現在、アリス薬局にてカウンセリング業務に従事している。

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