妊活中の便秘は薬を飲んでも大丈夫?
更新日:2021年12月07日
こんにちは!
大阪で処方箋なしで病院の薬が買える(零売薬局)アリス薬局の薬剤師 山田明里紗です。
女性は、ホルモンバランスやダイエットなどの影響で便秘になりやすいです。 普段は、薬を使って便秘を解消していても、妊活中は薬の服用に不安を感じるという方も多いでしょう。 そこで本記事では、妊活中の便秘対策と薬について、ご紹介したいと思います。
目次
便秘が妊活に与える影響
便秘の定義は、学会によって違いがありますが「日本内科学会」では、下記の状態を便秘と定めています。
・3日以上、便が出ていない
・毎日排便があっても残便感がある(スッキリしない状態)
では、妊活中の女性が便秘状態の場合、どのような影響があるのでしょうか。
腸内で悪玉菌が増加
便秘が長期間続くことで、腸内では善玉菌が減少し、悪玉菌が増加します。 悪玉菌は有害物質やガスを発生させ、腸内に毒素を溜め込むのです。 便秘によって腸内環境が悪くなると、腸の動きが鈍くなり、体の血流も悪くなります。 その結果、冷え性や自律神経の乱れに繋がり、妊活に悪影響を与えるのです。 つまり、妊娠しやすい体作りの為には、便秘を改善し排便の習慣をつけることが大切です。
胎児の腸内細菌叢に影響
腸内細菌叢とは、人の腸の中にある細菌の群れのことで、その数は100兆を超えると言われています。 腸内細菌は、免疫系や代謝に重要な役割を果たしており、肥満や糖尿病、アレルギーや喘息、うつ病、がん等と因果関係があるとも言われているのです。 その腸内細菌は胎児にも存在しており、それらは母親の腸内環境に由来しているという研究結果も発表されています。つまり、妊娠中の母親の腸内細菌叢は、これから産まれてくる赤ちゃんの健康や体質にまで影響を与えるということです。そのため、妊活中から便秘を改善し、妊娠中も腸内環境を整えておくことが重要となります。
妊活中に便秘薬の服用はOK?
便秘の改善に、便秘薬を服用している、服用を考えているという方も少なくないでしょう。 しかし、妊活中は、妊娠の可能性を考えて薬の服用には注意が必要です。 ただし、妊活中に便秘薬を飲んではいけないということではありません。 様々な薬の中には、妊活中でも安心して服用できる便秘薬があるのです。 ここでは、妊活中に服用可能な便秘薬について、ご紹介します。
妊活中に使える便秘薬「酸化マグネシウム便秘薬」
酸化マグネシウム便秘薬は、妊活中でも安心して服用することができます。 便秘薬には、様々な種類がありますが、大きく分けると「非刺激性」と「刺激性」に分類されます。 「非刺激性」の便秘薬は、腸を直接刺激しないため、お腹が痛くなりにくく癖にもなりにくいです。 一方で、ダイオウやセンナなどの成分を含む「刺激性」の便秘薬は、刺激が強いだけでなく効果も一時的です。 酸化マグネシウム便秘薬は「非刺激性」で、妊娠中も使用できる薬ですので、妊活中でも安心して服用できます。
妊活中の便秘には漢方薬もオススメ
妊活中の便秘改善には、漢方薬の服用もオススメです。 ただし「大黄」が含まれる漢方薬を服用する場合は注意が必要です。 「大黄」には、子宮収縮作用があり、流産や早産の原因となる可能性もあるため、妊娠中に服用する場合は医師に相談してください。
桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)
桂枝加芍薬湯は、妊活中でも安心して服用できる漢方薬です。 過敏性腸症候群に処方される代表的な漢方薬で、体を温めて緊張をほぐす効果があります。 「大黄」を含まない便秘薬ですので、妊活中・妊娠中でも安心して服用することができます。
小建中湯(しょうけんちゅうとう)
小建中湯は、小児の便秘薬としても使用される漢方薬です。 小建中湯にも「大黄」は含まれていませんので、妊活中も安心して服用できます。
上記の他にも「桂枝加勺薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)」や「潤腸湯(じゅんちゅうとう)」「麻子仁丸(ましにんがん)」なども、便秘改善に効果があります。 ただし、これらの漢方薬には「大黄」が含まれていますので、長期の使用には注意が必要です。
妊活中の便秘薬服用は専門家へ相談を
妊活中は便秘を放置せず、改善することが大切です。 便秘の改善には、薬の服用も効果的ですが、妊活中は自己判断で服用せずに医師や薬剤師など、専門医に相談するようにしましょう。 アリス薬局では、漢方に精通した薬剤師が充分にカウンセリングを行い、お客様のお悩みに合わせた漢方薬をご提案させていただきます。 まずは、お気軽にご相談ください。
薬剤師
山田 明里紗
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