【妊活中の予防接種】インフルエンザワクチンの接種はOK?
更新日:2021年11月16日
こんにちは!
処方箋なしで病院の薬が買える薬局(零売薬局)アリス薬局の薬剤師 山田明里紗です。
妊活中は、赤ちゃんを迎えるためにも、できる限り体調を整えておきたいものですよね。
毎年、冬になると「インフルエンザ」が流行しますが、妊活中は特に感染防止対策が重要になってきます。
しかし「妊活中にインフルエンザの予防接種をうけてもいいの?」と不安を感じている方も多いようです。
そこで本記事では、妊活中のインフルエンザ予防接種について、詳しくご紹介したいと思います。
妊活中にインフルエンザの予防接種はOK?
妊活中のワクチン接種には、不安を感じる方も少なくないでしょう。
しかし、結論から述べると、妊活中であってもインフルエンザの予防接種をうけることができます。
妊活中でもインフルエンザの予防接種が受けられる理由
実は、妊娠前だけでなく、妊娠中、授乳中であっても、インフルエンザの予防接種をうけることが可能です。
予防接種で使用するワクチンには、体内でウイルスや細菌が増殖する生ワクチンと、ウイルスや細菌が体内で増殖することのない不活化ワクチンがあります。
インフルエンザワクチンは、不活化ワクチンですので、ウイルスが体内で増殖しません。
そのため、妊活中・妊娠中・授乳中、どの時期でもワクチンを接種することが可能なのです。
インフルエンザの予防接種をうける時期
インフルエンザは毎年、11月下旬頃から、翌年の3月頃まで流行する傾向があります。
インフルエンザの予防接種は、接種後2週間頃から効果が出始め、約5ヶ月間、効果が継続すると言われているのです。
そのため、インフルエンザの予防接種は、流行が始まる2週間前の、10月下旬〜11月上旬頃までに接種すると良いでしょう。
卵アレルギーの方は注意
どのようなワクチンであっても、副反応が起こる可能性があります。
特に、インフルエンザワクチンは、卵アレルギーをもっている人に接種した場合、重篤な副反応(アナフィラキシーショック)が起こる可能性が高いのです。
そのため、卵アレルギーをもっている人は、インフルエンザの予防接種をうけられないこともあります。
予防接種をうける前には、必ず予診票を記入しますが、卵アレルギーを持っている場合は、必ずその旨を記載し、念の為医師にも伝えるようにしましょう。
妊娠中にインフルエンザに感染すると重症化する可能性も
インフルエンザの主な症状には、下記のようなものが挙げられます。
・38度以上の高熱
・全身の倦怠感
・関節痛
・筋肉痛
・頭痛
・食欲不振
インフルエンザに感染すると、一般の方でも数日間はとても辛い状態になりますが、妊婦や高齢者、基礎疾患がある人や乳幼児が感染した場合には、重症化するリスクがさらに高くなります。
妊婦がインフルエンザに罹患した場合、早産のリスクや、最悪の場合は死に至る可能性もあるため注意が必要です。
妊活中にインフルエンザの予防接種をうけるメリット
妊活中にインフルエンザの予防接種をうける最大のメリットは、万が一感染した場合に重症化を防ぐということです。
実は、現行のインフルエンザワクチンは、感染を完全に防げるものではありません。
もちろん、ワクチンを接種しなかった場合に比べ、接種した場合は発病率は低くなりますが、100%発病しないというわけではないのです。
ただし、ワクチンを接種することで、重症化を防ぐことができるということが、わかっています。
厚生労働省の発表によると、65歳以上を対象に行なった研究の結果では、34%〜55%の発病を防ぎ、82%の死亡を防ぐ効果があったそうです。
前述の通り、妊娠中はインフルエンザが重症化しやすいため、ワクチンを接種し、重症化のリスクを防ぐことが大切だと言えます。
妊活中は基本的な感染防止対策も大切
今回ご紹介したように、インフルエンザの予防接種は、妊活中・妊娠中・授乳中どのタイミングでもうけることが可能です。
特に、妊娠中は重症化のリスクが高くなりますので、妊活中の方や妊娠中の方は、流行前にインフルエンザの予防接種を検討されてみてはいかがでしょうか。
また、インフルエンザワクチンは、感染を100%防げるものではありませんので、予防接種をうけていても、手洗い・うがい・マスクの着用や、流行時期は人混みを避けるなどの感染防止対策は忘れずに行いましょう。
薬剤師
山田 明里紗
この記事を書いた人
専門家の紹介