妊娠検査薬はいつから?フライング検査がダメな理由
更新日:2021年11月08日
こんにちは!
処方箋なしで病院の薬が買える薬局(零売薬局)アリス薬局の薬剤師 山田明里紗です。
妊活中は、生理予定日が近づくと、妊娠しているかどうか、とても気になりますよね。
妊娠の判断には、妊娠検査薬を使用することが一般的ですが、妊娠検査薬には正しい使用方法や使用のタイミングがあります。
結果が気になるからといっても、フライング検査はNGです。
本記事では、妊娠検査薬はいつから使用できるのか、フライング検査がNGな理由などをご紹介したいと思います。
目次
妊娠検査薬を使用するタイミング
妊娠検査薬は、ドラッグストアなどで購入することができるため、誰でも簡単に妊娠検査をすることができます。
しかし、いつでも正しい結果が出るというわけではありません ここでは、妊娠検査薬の仕組みや正しい使用のタイミングについて、ご紹介します。
妊娠検査薬の仕組み
妊娠検査薬は、尿中のhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンの濃度によって、妊娠の有無を判断しています。
hCGとは、妊娠ホルモンとも呼ばれており、妊娠している女性の体だけに分泌されるホルモンです。
女性の体内では、受精卵が子宮内膜に着床してから数日間、胎盤のもととなる絨毛が現れます。
そこから分泌されるホルモンがhCGで、着床から妊娠11週ごろまで分泌量が増えていくのです。
妊娠検査薬は生理予定日1週間後以降に
hCGホルモンは、着床後に分泌が始まり、尿の中にも含まれるようになります。
しかし、着床したばかりの段階では分泌量が少なく、妊娠検査薬では検出することができません。
妊娠検査薬でも検出できる量(一般的には50mlU/mL)まで、尿中のhCGホルモン量が増えるのは、生理予定日の1週間後頃です。
そのため、市販されているほとんどの妊娠検査薬は、生理予定日1週間後以降に使用しなければいけません。
現在は、少ないhCG(25mlU/mL)でも検出することができる、早期妊娠検査薬といったものも販売されています。
ただし、早期妊娠検査薬は市販の検査薬とは異なり、医療用医薬品に分類されますので、登録された薬剤師がいる薬局でないと購入することができません。
妊娠検査薬フライング使用のデメリット
前述の通り、一般的な妊娠検査薬は、生理予定日の一週間後から使用しなければいけません。
しかし、中には、妊娠検査薬の説明書に記載されている時期よりも早い時期に、フライング検査を行ってしまうという方もいらっしゃるようです。
ただし、妊娠検査薬のフライング使用には、様々なデメリットがあるため、避けた方が良いでしょう。
ここでは、妊娠検査薬のフライング使用でおこるデメリットについて、ご紹介します。
正確な結果が出ない
まず、妊娠検査薬をフライング使用する最大のデメリットは、正確な判定結果が出ないということです。
妊娠検査薬の仕組みでも述べた通り、妊娠検査薬は尿中のhCG濃度で、妊娠の有無を判定しています。
妊娠検査薬には、それぞれ検出感度というものがあり、一般的な妊娠検査薬は50mlU/mLとなっています。
そのため、これより少ない濃度であれば、hCGが尿中に含まれていても、検出することができないのです。
つまり、実際には妊娠していても「陰性」になる可能性があります。
正確な判断ができないことで、受診が遅れるなどのリスクも考えられますので注意が必要です。
化学流産に気づいてしまう
化学流産とは、一度、受精卵が着床しても成長できず、胎嚢が確認される前に流産してしまうことです。
化学流産は、決して珍しいものではなく、若く健康なカップルでも30%〜40%で起こっています。
通常は、化学流産には気づかず「生理がきた(妊娠に至らなかった)」と考える方が多いのですが、フライング検査など早いタイミングで妊娠を知ることで、化学流産に気づいてしまうケースが増えているのです。
妊娠検査薬は正しいタイミングで
今回ご紹介したように、妊娠検査薬は尿中のhCGというホルモンの濃度を検出し、妊娠の有無を判断しています。
そのため、検査するタイミングが早すぎると、正確な判定結果を知ることができません。
その他にも、妊娠検査薬のフライング使用にはデメリットもありますので、避けた方が良いでしょう。
「早く知りたい」という気持ちは、とてもよくわかりますが、妊娠検査薬を使用する際は、取り扱い説明書に記載された時期(一般的には生理予定日の1週間後〜)を守るようにしてくださいね。
薬剤師
山田 明里紗
この記事を書いた人
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