気を付けよう!妊娠中のビタミンAの摂り方
更新日:2021年12月17日
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こんにちは!
大阪で処方箋なしで病院の薬が買える(零売薬局)アリス薬局の薬剤師 山田明里紗です。
ビタミンAとは
美肌のACE(エース)と言われるぐらい、ビタミンAは美容に欠かせない成分ですが、実は、妊娠期におきても大切な成分になります。
ビタミンAとは、レチノール、レチナール、レチノイン酸の総称であり、脂溶性ビタミンに分類されます。
また3種類はそれぞれ働きや含有されている食材が異なるため、ビタミンAとひとまとめに理解してしまうのは要注意です。
・レチノール、レチナール、レチニルエステル(貯蔵型)
→ビタミン作用の全てを有するビタミンA
・レチノイン酸とその誘導体
→精子形成と視覚サイクルに作用しないもの
ビタミンAの体内での働き・妊娠における有用性
◆受精卵が胚に分化するために必要である。
◆骨髄内において造血幹細胞から鉄芽球への分化
◆粘膜や皮膚の健康を保つ
◆抵抗力を強め、免疫力を向上する
◆精子形成を促進する。
◆コラーゲンやエラスチンの生成を促進する
ビタミンAは、美肌だけでなく、免疫力の向上や、男女問わず妊活にとても重要なビタミンです。また体内では合成できないため、食品から積極的に摂取する必要があります。
ビタミンAが欠乏すると起こる症状
こんな症状はありませんか?
ビタミンAは、粘膜や皮膚の健康を保ち、免疫力を司るため不足すると以下の様な症状が発現してきます。
☑目が乾燥している
☑皮膚がごわつく
☑口内炎がある
☑胃炎や胃潰瘍がある
☑便秘や下痢がある
☑鼻炎や花粉症がある
☑すぐ膀胱炎になる
☑気管支喘息がある
催奇形性におけるビタミンAの真実
積極的に摂取したい一方で気になるのは、やはり催奇形性の副作用。
レバーをたくさん食べて催奇形性すると言われますが、レバーに含まれているビタミンAは主にレチニルエステル(貯蔵型・不活性型)であり、活性型レチノイン酸ではないため、食べてしまったからと言って、1日ぐらい心配することはありません。
重要なのは、毎日規程量を超えて食べ続けないことやサプリメントの併用における一日総容量です。
サプリメントを選ぶときのポイント
サプリメントの選び方についてご紹介します。
サプリメントにおけるビタミンAビタミンAの摂取を行うとき、天然のビタミンA誘導体 と合成ビタミンA誘導体を区別する必要があります。
催奇形性があるのは合成のビタミンAである、レチノイン酸によるものであることが解明されているので注意しましょう。
天然のビタミンAは、体内では、タンパク質などに結合することで、非活性として運ばれるので、それほど神経質に考えなくても大丈夫です。
天然のビタミンA レチノール(主に魚油)レチニルエステル(動物由来)βカロテン(植物由来) この中でも特に、βカロテンが妊娠中に服用しても過剰症が報告されていないことから最もおすすめです。
妊婦さんの摂取基準量・上限量
食品に置き換えると?
鶏レバー…20g
うなぎ…180g
あんこうの肝…30g
など、ほんのひとくちで軽く上限を超えてしまうものもありますが、週単位で考え毎日摂りすぎなければ大丈夫です。
ビタミンAによる過剰症はレチノイン酸(合成)によるものなので、普通の食事をしている分には、心配ありません。
例えば、うな丼を食べたり、レバーの焼き鳥を1~2本食べたりするなどは全く問題ありません。
ビタミンAについてのまとめ
1.動物性の量と頻度に気をつける
2.野菜に含まれるβカロテンは積極性に食べる
3.サプリメントのピタミンAの種類・量をきちんと確認する
薬剤師
山田 明里紗
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