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血圧が高い原因を薬剤師がわかりやすく解説。生活習慣から二次性高血圧まで

健康診断や病院で「血圧が高い」と言われ、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。血圧が高くなる原因は、生活習慣の乱れだけでなく、日々のストレスや隠れた病気など実に様々です。

薬局でご相談を受ける中で感じるのは、高血圧への誤解や、自己流の生活習慣見直しをしている方がとても多いということです。

この記事では、薬剤師の視点から血圧が高くなる原因を年代・状況別に解説し、適切な対処法や薬の選び方、オンライン診療の活用方法までご紹介します。

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血圧が高い(高血圧)とは?基準値と自覚症状

「血圧が高い」と一口に言っても、どの程度の数値から注意が必要なのでしょうか。

ここでは、高血圧の基準値と、血圧が高いときに体に現れることのある自覚症状について、基本的な知識を確認しておきましょう。

高血圧の基準値

高血圧の診断基準は、「診察室血圧 140/90 mmHg 以上、家庭血圧 135/85 mmHg 以上」とされています。

病院で測った数値を診察室血圧、自宅で測った数値を家庭血圧と呼び、病院では緊張から血圧が高めに出る方がいる一方で、逆に家庭のほうが血圧が高くなる方もいます。

血圧が高いと出る症状はある?

高血圧は基本的に無症状です。しかし、急激に血圧が高くなった場合や重症化すると、頭痛、めまい、肩こりなどの症状が出ることがあります。

軽度〜中等度(140/90程度)では頭痛は起こりにくく、180/120以上の急上昇で起こりやすくなります。

「自覚症状がないから」と指摘されても放置し、数年後にひどい肩こりや頭痛が出てから慌てて受診するといった方も少なくありません。

【薬剤師が直面】血圧が高い原因・治療に対するよくある誤解トップ3

薬局の窓口で患者様とお話ししていると、高血圧について誤解されている方が非常に多いと感じます。ここでは、よくある誤解を3つご紹介します。

血圧の薬は一生飲み続けなければならない:生活習慣の見直しによって血圧が安定すれば、医師の判断で減薬や休薬ができるケースもあります。

塩分はしっかり控えている(つもり):詳しくお話を伺うと、「麺類のスープは全部飲む」「市販の顆粒だし(塩分が含まれるもの)をたっぷり使っている」など、無意識に塩分を多く摂取している方が少なくありません。

若いから高血圧にはならない:高血圧に年齢は関係ありません。若くても生活習慣やストレス、隠れた疾患などで高血圧になることは十分にあり得ます。

高血圧についての知見も更新されます。生活習慣の見直しは、正しい知識で行いましょう。

【薬剤師が解説】血圧が高くなる主な原因

血圧が高くなる原因の約9割は、生活習慣などが複雑に絡み合った「本態性高血圧」と呼ばれるものです。ここでは、血圧を上げる主な要因について詳しく解説していきます。

生活習慣の乱れ

大きな原因の一つに塩分の摂りすぎがあります。厚生労働省の令和6年の食塩摂取量調査では、1日の食塩摂取量平均値は9.6g(男性10.5g、女性8.9g)と、「健康日本21」の目標値7gを大きく上回る結果でした。

肥満は心臓への負担を増やし、過度の飲酒や喫煙は血管を収縮させて血圧を上げます。さらに、運動不足や慢性的なストレスも交感神経を刺激し、血圧を上げる原因になります。

加齢

年齢を重ねると血管の弾力性が失われ、硬くなるため、血圧が上がりやすくなります。

また、女性の場合は閉経後に女性ホルモンのバランスが大きく変化し、高血圧を発症しやすくなる傾向があります。

遺伝

遺伝的な要因も無視できません。両親とも高血圧の場合、約50%の確率で子どもも高血圧になり、片方の親だけが高血圧の場合は約30%と言われています。

家族は食生活などの生活習慣も似るため、より高血圧になりやすい傾向があります。

一時的に血圧が急に上がる原因とは?

普段の血圧は正常でも、一時的な要因で急上昇するケースがあります。

代表的なのが病院で緊張して上がる「白衣高血圧」や、冬場の急激な温度変化による「ヒートショック」、排便時のいきみや過度な緊張などです。

【実例:Aさん(50代・男性)の場合】

通常時は血圧に問題がないAさんですが、冬場のみ160を超えることがありました。

お話を伺うと、朝シャワーを浴びる際、脱衣所に暖房がなく急激な寒さを感じていたとのこと。典型的なヒートショックの症状でした。

病気が原因の可能性も。二次性高血圧とは

生活習慣ではなく、特定の病気や薬が原因で起こる高血圧を「二次性高血圧」と呼びます。

原因を取り除ければ正常化が期待でき、本態性高血圧に比べて若い人に多くみられます。

腎臓やホルモンの病気

腎臓の血管が狭くなる「腎血管性高血圧症」や、腎臓自体の働きが落ちる「腎実質性高血圧症」により、塩分と水分が排出されにくくなり血圧が上がります。

また、原発性アルドステロン症や甲状腺・副甲状腺の病気など、内分泌腺の病気によって血圧を上げるホルモンが体内に増えすぎることも原因になります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

寝ている間に呼吸が止まる病気です。睡眠中の低酸素状態が交感神経を刺激し、血圧を上げる原因になります。

薬剤誘発性高血圧症

ほかの病気のために使っている薬が原因になることもあります。

痛み止めの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、甘草(かんぞう)を含む漢方薬、副腎皮質ステロイド薬、経口避妊薬(ピル)などが知られています。

血管の病気

大動脈の一部が狭くなっている「大動脈縮窄症(しゅくさくしょう)」や、脳幹部の血管圧迫などが原因になることもあります。

年代・性別・数値別にみる血圧が高い原因

血圧が高くなる背景には、年代や性別による特徴もあります。

20代で血圧が高い原因 

いわゆる若年性高血圧です。遺伝的要因のほか、不摂生や強いストレスが引き金になります。また、先述した二次性高血圧が隠れている可能性もあります。

40代で血圧が高い原因

40代は働き盛りならではのストレスや、付き合いでの飲酒が増える時期です。
長年の積み重ねによる肥満(メタボリックシンドローム)が表面化しやすい年代でもあります。

女性特有の血圧が高い原因 

更年期には、女性ホルモン(エストロゲン)の減少による血管の弾力低下と自律神経の乱れで高血圧になりやすくなります。

また、「妊娠高血圧症候群」は、妊娠初期に胎盤をうまく形成できず、胎児への栄養や酸素不足を補おうと血液量を増やすことで血圧が上昇すると考えられています。

最低血圧(下の血圧)だけが高い原因

末梢血管の抵抗が強くなっている状態です。若年層や中年に多くみられ、「下が高いだけ」と放置しがちですが、動脈硬化の初期段階の可能性があるため注意が必要です。

血圧が高い時の過ごし方と対処法

血圧が高いと言われたら、どのように過ごすべきか、具体的な対処法を解説します。

生活習慣の見直し

まずは減塩(1日6g未満)を意識しましょう。適度な有酸素運動を取り入れ、禁煙・節酒を心がけます。また、ストレスは血圧の大敵です。ストレスをためない工夫をし、良質な睡眠を取るようにしてください。

家庭血圧を毎日記録する

ご自身の正確な血圧変動を知るために、朝晩測定して記録をつけましょう。

結果を医師や薬剤師に見せることで、薬が効いているか判断してもらえますし、自己流になりがちな生活習慣への「ダメ出し(軌道修正)」をもらえる良い機会になります。

高血圧の治療薬とオンライン診療の活用

生活習慣の見直しでも改善しない場合は薬物治療となります。お薬の選び方と便利な受診方法をご紹介します。

原因や状態別の治療薬の選び方

血圧を下げる薬(降圧薬)にはいくつかの種類があります。薬局で「どうして〇〇さんとは薬が違うの?」と聞かれることがありますが、それは血圧が高い原因が人により違うためです。医師は患者様に一番合った薬を選んでいます。

【高血圧治療薬】

種類 薬の効き方 適している人
カルシウム拮抗薬 血管を広げて血圧を下げる 高齢者など幅広く。効き目が確実
ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬) 血圧を上げるホルモンの働きを阻害する 肥満の方、心臓や腎臓を保護したい方
利尿薬 尿量を増やし、塩分と水分を外に出す 塩分を摂りすぎている方、むくみやすい方
ACE阻害薬 血圧を上げるホルモンが作られるのを防ぐ 糖尿病や腎臓病の合併がある方

自己判断での服薬中止は大変危険です。もし合わないと感じたら必ず医師・薬剤師へ相談してください。

例えば、ACE阻害薬による空咳はよくある副作用です。

また、今や誰もが知る「カルシウム拮抗薬とグレープフルーツジュースの相互作用」も、実は患者様の何気ない相談がきっかけで発見されました。疑問に思ったことは遠慮なく口にしてみましょう。

適切な薬をもらうならオンライン診療が便利

忙しくて病院に行けない方、つい通院が途絶えがちな方は、アリス薬局の「オンライン診療サービス」を活用してみてはいかがでしょうか。

ご自宅で受診でき、自分に合った適切な薬がスムーズに処方・配送されます。

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血圧が高い原因に関するよくある質問

薬局の窓口でよく聞かれる質問に対して、お答えします。

Q. 水をたくさん飲むと血圧は下がりますか?

水を飲むだけで血圧が下がるわけではありませんが、水分不足は血圧を上げる要因になるため、こまめな水分補給は予防として重要です。

「お茶やコーヒーでもいいの?」とよく聞かれますが、利尿作用があるので、お水か麦茶がおすすめです。水分補給というとスポーツ飲料をあげる方もいますが、高血圧症の場合は肥満が心配だから避けるのが無難です。

Q. パーキンソン病になると高血圧になるのはなぜですか

パーキンソン病自体は、自律神経の障害により血圧の変動が激しくなる病気です。そのため、横になった時に血圧が異常に高くなる「臥位(がい)高血圧」や「夜間高血圧」、逆に食後に血圧が下がる「食事性低血圧」や「起立性低血圧(立ちくらみ)」を起こしやすいという特徴があります。

まとめ

血圧が高くなる原因は生活習慣、ストレス、病気など多岐にわたります。放置せず、まずは一度、正しい知識で生活習慣を見直しましょう。

そして必要に応じて医師の診察と適切な薬の処方を受けることが大切です。

疑問なことは気軽に薬剤師へご相談ください。薬のことだけでなく、生活習慣の間違いも的確にアドバイスしてくれます。

通院する時間のない方には、オンライン診療という便利な方法もありますので、ぜひ検討してみてください。

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参考文献

日大医誌|高血圧管理・治療ガイドライン 2025~改訂ポイント~

日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会|頭痛の診療ガイドライン2021

厚生労働省|令和6年国民健康・栄養調査結果の概要

日本高血圧学会・日本高血圧協会|一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子「高血圧の話」

日本動脈硬化学会|二次性高血圧の原因疾患と示唆する所見、鑑別に必要な検査

心臓|薬剤誘発性高血圧

日本産婦人科学会|妊娠高血圧症候群

自律神経|パーキンソン病における血圧循環調節機能障害

※本記事は一般的な情報提供を目的として作成しております。記事内の情報および、その情報をもとに利用者様が行う判断・行動につきましては、当方では責任を負いかねます。

情報のご利用や最終的な判断につきましては、ご自身の責任にて行っていただきますようお願いいたします。

この記事を書いた人

専門家の紹介

薬剤師瀬川 沙希

薬剤師
瀬川 沙希

婦人科系製薬メーカーにて勤務後、調剤薬局・オンラインピル診療にて遠隔医療相談を経験。 自身の不妊治療をきっかけに漢方薬局へ就職し、漢方・薬膳の考え方を学びました。 妊活カウンセリングや薬膳教室を通じて、日々の生活に取り入れやすいケアをお伝えしています。

この記事を監修した人

専門家の紹介

天下茶屋内科クリニック 院長小幡 史明

天下茶屋内科クリニック 院長
小幡 史明

総合診療医として、高血圧、糖尿病、不眠、膝痛、腰痛など、多岐にわたる症状を持つ患者様の診療を担当します。 一人の医師が複数の疾患を統合的に管理し、標準的な治療を提供することで、診断から治療、必要に応じた専門医紹介まで、患者様の健康を全面的にサポートいたします。 天下茶屋内科クリニック https://kouyukai.info/about/
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