痔に効くボラザG軟膏を薬局で購入する方法
更新日:2025年07月28日
こんにちは!
処方箋なしで病院の薬が買える薬局(零売薬局)アリス薬局の薬剤師 石井結衣です。
本日はボラザG軟膏について解説していきたいと思います。
ボラザG軟膏は、医療用医薬品として「ボラザG軟膏」という名前で販売されています。
このボラザG軟膏は病院で出してもらう以外に入手方法はないのか?
あります!
市販で医療用医薬品のボラザG軟膏を購入することはできません。
処方箋なし(零売)薬局で買いましょう!
目次
1、痔に効果的な成分とは?
痔の治療には、炎症や痛み、かゆみをやわらげるために、いくつかの有効成分が使用されています。代表的な成分として、次のようなものがあります。
ヒドロコルチゾン酢酸エステル
ヒドロコルチゾン酢酸エステルは、ステロイド系抗炎症薬の一種で、作用の強さが最も穏やかな「弱いステロイド」に分類されます。
そのため、肛門のような皮膚が敏感な部位でも比較的安全に使える成分です。
この成分は、本来副腎から分泌されるホルモン(コルチゾール)に似た働きを持ち、糖や脂質の代謝や体内の水分バランス、免疫反応の調整などに関与します。
炎症を抑える効果はありますが、免疫を抑制する作用もあるため、化膿している患部には使わないよう注意が必要です。使用すると、皮膚の防御力が下がり、症状が悪化する恐れがあります。
リドカイン
リドカインは、神経の興奮を抑えることで痛みやかゆみを一時的に感じにくくさせる「局所麻酔薬」です。
ナトリウムチャネルと呼ばれる神経細胞の電気信号の通り道をブロックし、脳に痛みの信号が伝わらないようにします。
この麻酔効果により、痔によるつらい症状をすばやく緩和することができます。リドカインは医療の現場でも広く使用されており、注射薬やゼリー、点眼薬などさまざまな製剤があります。
また、心臓にも作用するため、抗不整脈薬として用いられることもあります。
痔の種類
痔の種類 | 主な症状・特徴 | 対応方法 |
いぼ痔(内痔核)
|
・肛門の内側にできる |
薬で対応可能
|
・痛みは少ない | ||
・排便時に出血がみられる | ||
いぼ痔(外痔核)
|
・肛門の外側にできる |
薬で対応可能
|
・痛みがある | ||
・腫れが大きくなると強い痛みを伴う | ||
きれ痔(裂肛)
|
・肛門の皮膚が切れたり裂ける |
薬で対応可能
|
・排便時に強い痛みを感じる | ||
・出血は少量 | ||
痔ろう(痔瘻)
|
・肛門周辺に膿が溜まり、体外へ漏れる |
手術が必要。早めに病院受診を
|
・肛門が腫れ、ズキズキと痛む | ||
・お尻が熱をもつ |
痔に効果的な薬
痔に効果的な薬をご紹介します。
ボラザG軟膏
【成分量】
1容器(2.4g)
・トリベノシド 271.2㎎
・リドカイン54.2㎎
【効果】
1.痔核に伴う症状(出血、疼痛、腫脹)の緩解
2.裂肛に伴う症状(出血、疼痛)の緩解、裂創上皮化の促進
【働き】
肛門部の腫れを改善する成分と、鎮痛作用をもつ局所麻酔薬を合わせた製剤です。
痛み止め、浮腫み抑制して、傷の改善もできます。
表面麻酔作用をする事により、直腸・肛門部の痛みを抑えます。
【用法及び用量】
内痔核には、通常1回1容器分(注入量でトリベノシドとして200mg、リドカインとして40mg)を、1日2回朝夕肛門内に注入する。症状に応じて適宜回数を増減する。
裂肛、外痔核には、通常適量を1日2回朝夕患部に塗布又は注入する。症状に応じて適宜回数を増減する。
【副作用】
妊婦や小児等への安全性は確立していませんが、副作用は殆どありません。
ヘモポリゾン軟膏
【成分量】
1g中
・大腸菌死菌浮遊液 0.613mL
・ヒドロコルチゾン 2.5mg
【効果】
・痔核や裂肛に伴う出血、痛み、腫れ、かゆみなどの症状緩和
・肛門部の術後創や、周辺の湿疹・皮膚炎、軽度の直腸炎による症状の改善
【働き】
ヘモポリゾン軟膏は、強力ポステリザン軟膏と同一成分を含むジェネリック製剤です。大
腸菌由来の死菌成分が局所の免疫反応を高め、感染を防止します。また、ステロイド成分であるヒドロコルチゾンが炎症を抑え、患部の腫れや痛みを和らげるほか、傷の修復(肉芽形成)を促進する作用もあります。
【用法及び用量】
痔核、裂肛、肛門部手術創、肛門周囲の湿疹・皮膚炎、軽度直腸炎の症状に対し、通常1日1〜2回、適量を患部に塗布または肛門内へ注入します。症状に応じて回数は調整されます。
【副作用】
・緑内障や後嚢白内障などの報告があります。
・使用部位に感染(結核・化膿性・ウイルス性)や真菌症がある場合は使用を避けてください。妊娠中・授乳中の方は医師にご相談ください。
強力ポステリザン軟膏
【成分量】
1g中
・大腸菌死菌浮遊液 0.613mL
・ヒドロコルチゾン 2.5mg
【効果】
・痔核や裂肛による出血、痛み、腫れ、かゆみなどの症状の緩和
・肛門手術後の創部、肛門周囲の湿疹・皮膚炎、軽度な直腸炎による不快症状の改善
【働き】
強力ポステリザン軟膏は、注入もできるタイプの痔疾用外用薬です。
含有されている大腸菌由来の死菌成分が、局所の免疫反応を高めて感染を防ぎ、ステロイド成分であるヒドロコルチゾンが炎症を抑えます。
あわせて、傷の治癒を促す肉芽形成促進作用もあり、肛門部の不快な症状を幅広く改善します。
【用法及び用量】
通常、1日1〜3回、適量を患部に塗布または肛門内へ注入します。使用回数は、症状に応じて医師の指示のもと調整されます。
【副作用】
そう痒感(かゆみ)、便意を催す感覚、使用部位の違和感などが報告されています。
まれに緑内障や後嚢白内障を起こすことがあります。異常を感じた場合は、直ちに医師または薬剤師にご相談ください。
キシロカインゼリー2%
【成分量】
1mL中
・リドカイン塩酸塩 20mg
【効果】
表面麻酔(局所的な知覚の遮断)
【働き】
キシロカインゼリー2%は、ゼリー状の局所麻酔薬で、粘膜や皮膚などに塗布することで痛みや刺激を一時的に感じにくくさせる作用があります。
主成分のリドカインは、神経のナトリウムチャネルに作用して電気信号の伝達を抑制し、感覚神経および運動神経の働きを一時的にブロックします。
【用法及び用量】
尿道への麻酔では、通常成人男性に対しては10〜15mL(200〜300mg)、女性には3〜5mL(60〜100mg)を使用します。
気管挿管時には適量を使用し、使用量は年齢や使用部位、体質などに応じて調整されます。
【副作用】
まれに、眠気、吐き気、じんましん、むくみなどの症状が現れることがあります。異常を感じた場合は、速やかに医師または薬剤師へご相談ください。
ボラザG軟膏とボラギノールはどう違うの?
「痔にはボラギノール」というキャッチフレーズで有名ですが、市販の痔のお薬であるボラギノールとはどう違うのでしょうか。
ボラギノールA注入軟膏と成分を比較してみましょう!
比較項目 | ボラギノールA注入軟膏(市販薬) | ボラザG軟膏(処方薬) |
分類 | 市販薬/ステロイド配合 | 処方薬/非ステロイド |
主な用途 | 痔による炎症・かゆみ・痛みの緩和 | 内外痔核の炎症緩和と創傷治癒の促進 |
主な有効成分 | プレドニン:1mg(ステロイド) リドカイン:60mg アラントイン:20mg ビタミンE酢酸エステル:50mg |
トリベノシド:271.2mg リドカイン:54.2mg |
炎症抑制のしくみ | ステロイド(プレドニン)による強力な抗炎症作用 | トリベノシドによる非ステロイド性の抗炎症作用 |
創傷治癒への影響 | ステロイドの免疫抑制により治癒が遅れる可能性あり | トリベノシドの作用により創傷治癒を促進 |
免疫への影響 | 免疫抑制の副作用がある | 免疫抑制作用はない |
局所麻酔(痛みの緩和) | リドカイン高配合(60mg)により、速やかな鎮痛効果が期待できる | 十分な量のリドカイン(54.2mg)で痛みを緩和 |
その他の成分による補助作用 | アラントイン:組織修復促進 ビタミンE:血行促進作用 |
特記事項なし(主にトリベノシドによる作用に集中) |
総合評価 | 成分数は多く一見優れて見えるが、ステロイドによる治癒遅延リスクがある | 成分はシンプルだが、創傷治癒促進・非ステロイドで安全性が高い |
ボラザG軟膏の市販薬はある?
現在のところ、ステロイドを含まないタイプで傷の回復を助ける痔の市販薬は販売されていません。
また、「ボラザG軟膏」は医療用医薬品のため、薬局やドラッグストアなどで処方せんなしに購入することはできません。
使用を希望する場合は、医師の診察を受け、処方を受ける必要があります。
処方箋無しでボラザG軟膏を購入するなら零売薬局の「アリス薬局」
医療用医薬品であるボラザG軟膏を、処方箋なしで購入したい場合は、「アリス薬局」のような零売対応薬局の利用が一つの方法です。
通常の薬局やドラッグストアでは取り扱いがない医療用の痔の薬でも、零売薬局では一部を薬剤師の判断のもとで販売できることがあります。
これは、ボラザG軟膏のように「処方箋医薬品ではないが、医療用に分類される薬」が、適切な管理のもとで提供できる仕組みがあるためです。
このような対応を行う薬局は「零売薬局」と呼ばれ、アリス薬局では専門的なアドバイスとともに、こうした医薬品を必要とする方への販売を行っています。
市販薬では効果が不十分と感じる方や、医療用成分を含む薬を希望する方は、一度アリス薬局に相談してみてください。
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薬剤師 アリス薬局代表
石井 結衣
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