ナウゼリンの効果・効果が出るまでの時間・持続時間を薬剤師が解説|処方箋なしで買える同成分薬も紹介
更新日:2026年09月04日

食べすぎによる胃のムカつきや、二日酔い、胃腸炎による吐き気に悩んだことがある方も多いのではないでしょうか。
そんなときに病院でよく処方されるのが、吐き気止めとして有名な「ナウゼリン」です。
この記事では、ナウゼリンの成分・効果・効果が出るまでの時間・持続時間・副作用・飲み合わせなどを、薬剤師の立場から解説していきます。
さらに、ナウゼリンと同じ有効成分「ドンペリドン」を含むジェネリック医薬品を、処方箋なしで購入する方法についてもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
1.ナウゼリンとは?基本情報
まずはナウゼリンがどんなお薬なのか、基本情報から確認していきましょう。有効成分や剤形を知っておくことで、ご自身の症状やライフスタイルに合った選び方ができるようになります。
ナウゼリンは、胃腸の動きを活発にして吐き気や胃もたれを改善する「消化管運動改善薬」に分類されるお薬です。吐き気止めとしてだけでなく、食欲不振や胃のむかつきなど、幅広い消化器症状に使用されます。
1錠中にドンペリドン5mgまたは10mgが含まれています。ドンペリドンは「D2受容体阻害薬」と呼ばれるグループのお薬です。
ドパミンは、神経から神経へ情報を伝える神経伝達物質で、運動調節や精神活動、ホルモン分泌などに関わっています。そのため、分泌量が多いほど心身に良い影響を与えるとは限りません。
ナウゼリンには、患者さんの状態に合わせて選べる複数の剤形があります。
・錠剤:一般的なタイプ(5mg・10mg)
・OD錠:水なしで口の中で溶ける
・ドライシロップ:小児に使いやすい
・坐剤:吐き気が強く内服できないときに便利
先発医薬品のナウゼリンは、協和キリン株式会社が製造販売しています。
ナウゼリンには、同じ有効成分「ドンペリドン」を含むジェネリック医薬品(後発医薬品)が多数あります。
それが「ドンペリドン錠」です。有効成分・効果・用法用量はナウゼリンと基本的に同じで、価格が抑えられているのが特徴です。詳しくは記事後半でご紹介します。
2.ナウゼリン(ドンペリドン)の効果・効能
ナウゼリンは、胃腸の不調全般に幅広く使えるお薬です。具体的にどんな症状に効くのか、確認していきましょう。
効能・効果
・悪心・嘔吐(気持ち悪さ・吐き気・嘔吐)
・食欲不振
・腹部膨満・上腹部不快感(胃が張る・胃の重い感じ)
・腹痛
・胸やけ
・あい気(げっぷ)
こんな場面で活躍します
▼ 胃腸炎による吐き気
ウイルス性胃腸炎などで嘔吐が続くとき、水分も摂れず脱水になりがちです。ナウゼリンで吐き気を抑えることで、水分補給や食事がしやすくなります。
▼ 二日酔いのむかつき
飲みすぎた翌朝、胃がムカムカして何も食べられない…そんなときにも胃腸の動きをサポートしてくれます。
▼ つわり
妊娠中のつわりに使用されるケースもありますが、必ず医師の判断が必要です。
▼ 食べすぎ・胃もたれ
「食べたものが胃に残っている感じがする」「胃が動いていない気がする」といった機能性ディスペプシアの症状にも有効です。
▼ 抗がん剤・片頭痛薬による吐き気
他の薬の副作用として起こる吐き気にも使われます。
3.ナウゼリンの効果が出るまでの時間
吐き気があるときは、ナウゼリンが服用後どのくらいで効き始めるのか気になる方も多いでしょう。ここでは、ナウゼリンの効果が現れるまでの時間について解説します。
効果を実感し始めるまでの目安
ナウゼリンを服用してから効果を実感し始めるまでの時間は、おおよそ30分〜1時間程度です。血中濃度が最高になる時間(Tmax)は約30分とされており、この頃から効果が現れ始めます。
空腹時と食後で吸収に違いがある
ナウゼリンは食事の影響を受けやすいお薬です。食後に服用すると、食べ物によって薬の吸収が遅くなり、効果が現れるまでの時間も長くなってしまいます。
そのためナウゼリンは食前(食事の15〜30分前)に服用するのが基本です。添付文書でも食前に服用するよう指示されています。
4.ナウゼリンの効果持続時間
ナウゼリンの効果がどのくらい持続するのかを解説します。持続時間を把握しておくことで、次に服用するタイミングの目安にもなります。
効果の持続時間の目安
ナウゼリンの効果持続時間は、おおよそ4〜6時間程度とされています。飲んですぐに効果が切れるわけではなく、しっかり半日弱は胃腸のサポートをしてくれるお薬です。
半減期は約8〜10時間
血中濃度が半分になるまでの時間(半減期)は、約8〜10時間です。体内から徐々に排出されていくため、次の服用までに大部分が代謝される設計になっています。
1日3回服用が推奨される理由
効果持続時間が4〜6時間程度であることから、1日3回(毎食前)の服用で1日を通して効果を維持できるように設計されています。食事のたびに胃腸をサポートすることで、症状のぶり返しを防ぎます。
次の服用までの間隔
服用間隔は4時間以上あけるのが目安です。効果が不十分だと感じても、自己判断で追加服用せず、次の服用タイミングまで待ちましょう。
効果が切れたときの対処法
効果が切れて再び吐き気が出てきた場合は、次の食前に予定通り服用します。それでも症状が強い、あるいは長引く場合は、他の原因が隠れている可能性もあるため、医師や薬剤師にご相談ください。
5.ナウゼリンの用法・用量
正しい用法・用量を守ることが、効果を最大限に引き出し、副作用のリスクを減らすカギです。基本の服用方法を確認していきましょう。
基本の用法・用量
成人:1回10mg(1錠)を1日3回、食前に服用
小児:1日1.0〜2.0mg/kgを1日3回、食前に服用
症状に応じた服用の考え方
吐き気が強いときは食前に服用することで、その後の食事による症状悪化を防ぎます。食欲不振や胃もたれが中心のときも、食事の前に胃腸の準備を整えるイメージで服用します。
頓服として使う場合の注意
「吐き気があるときだけ飲みたい」という頓服使用も可能ですが、1日の総量が30mgを超えないよう注意が必要です。連続で服用する場合も、必ず4時間以上の間隔をあけましょう。
食前服用の理由
前章でも触れましたが、ナウゼリンは食事の影響を受けやすいため、食前15〜30分前の服用が推奨されます。食後だと薬の吸収が遅れ、効果発現までの時間が長くなってしまいます。
飲み忘れたときの対処法
飲み忘れに気づいたときは、次の服用時間まで4時間以上あるならすぐに1回分を服用します。
次の服用時間が近い場合は、飲み忘れた分はスキップして次の回から通常通り服用してください。2回分をまとめて服用することは避けましょう
6.ナウゼリンの作用メカニズム
ナウゼリンが吐き気を抑え、胃腸の動きを促す仕組みについて解説します。作用のメカニズムを知ることで、薬の働きをより理解しやすくなります。
①消化管運動を活発にするメカニズム
ナウゼリンは、D2受容体の働きを抑えることでアセチルコリンの放出を促し、消化管の運動を活発にします。
アセチルコリンは神経伝達物質のひとつで、胃や腸の動きを促す働きがあります。
D2受容体が刺激されるとアセチルコリンの放出が抑えられますが、ナウゼリンがD2受容体を遮断することで、アセチルコリンが放出されやすくなります。
その結果、胃や腸の動きが促され、胃もたれや腹部の張りなどの改善につながります。
②吐き気を止めるメカニズム
ナウゼリン(ドンペリドン)は、脳の嘔吐に関わる部位に作用し、吐き気や嘔吐を抑えます。
脳には、嘔吐を引き起こす「嘔吐中枢」があり、その近くにはCTZ(化学受容器引き金帯)と呼ばれる部位があります。CTZが刺激されると、その情報が嘔吐中枢に伝わり、吐き気や嘔吐が起こります。
ナウゼリンはCTZにあるD2受容体を遮断し、嘔吐中枢への刺激の伝達を抑えることで、吐き気や嘔吐を和らげます。
脳への移行性が低い
CTZは血液脳関門(血液から脳への薬の移行を制限する関門)の外側にあるため、ナウゼリンはCTZには届きますが、脳の内部にはほとんど入り込みません。そのため、脳やホルモンに関わる副作用が比較的少ないのが大きな特徴です。
7.ナウゼリンの副作用
ナウゼリンの主な副作用と発現頻度は以下の通りです。
・下痢、便秘、胸やけ、嘔吐等の消化器系(0.4%)
・乳汁分泌、女性化乳房等の内分泌系(0.2%)等
冒頭でも書きましたが、ドパミンは運動調節・精神活動・ホルモンなど、様々な働きと関わります。そのため、脳に直接作用するお薬は様々な副作用や飲み合わせに注意が必要です。
ナウゼリン(ドンペリドン)はCTZに働きますが、脳への移行性は低いため、脳やホルモンに関わる副作用は少ないとされています。(CTZは脳へお薬などが移行する関門の外にあります)
8.ナウゼリンは市販で買える?購入方法|同成分の「ドンペリドン錠」もおすすめ
吐き気を抑えるためにナウゼリンを服用したい場合、市販で購入できるのか気になる方もいるでしょう。
ナウゼリンは医療用医薬品のため、通常のドラッグストアでは市販されていません。ドラッグストアで販売されている吐き気止めは、ナウゼリンとは成分や含有量が異なります。
ナウゼリンを入手するには、基本的に医療機関を受診し、医師の診察を受けて処方してもらう必要があります。ただし、受診する時間が取りにくい方にとっては、通院が負担になることもあります。
零売薬局ならナウゼリンを処方せんなしで購入できる
「零売(れいばい)」という制度を利用すれば、処方箋がなくても医療用医薬品を購入することができます。
医療用医薬品は「処方せん医薬品」と「処方せん医薬品以外の医療用医薬品(非処方せん医薬品)」の大きく2つに分けられ、零売薬局で購入できる医療用医薬品は「処方せん医薬品以外の医療用医薬品」に限定されます。(医療用医薬品は15,000種類ほどあり、そのうち非処方せん医薬品は7,500程度)
アリス薬局では零売を行っており、薬剤師が対面で症状や既往歴などを確認したうえで、必要に応じて医療用医薬品を販売しています。
病院を受診する時間が取りにくい方や、同じ薬をもらうための通院負担を減らしたい方にも利用されています。購入の際は、薬を使用するご本人の来店が必要です。
ドンペリドン錠(ジェネリック)という選択肢
アリス薬局では、ナウゼリンと同じ有効成分「ドンペリドン10mg」を含むジェネリック医薬品「ドンペリドン錠」も購入可能です。
・有効成分:ドンペリドン10mg(ナウゼリンと同一)
・効果・効能:ナウゼリンと同じ(悪心・嘔吐・食欲不振・胃もたれなど)
・用法・用量:ナウゼリンと同じ(1回10mg、1日3回食前)
・価格:先発品のナウゼリンより安価
ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、先発医薬品と同じ有効成分・同じ効果を持つことが厚生労働省の厳しい審査で確認されて承認されています。
血中濃度の推移や生物学的同等性も試験で確認されており、効果や安全性に大きな違いはありません。
アリス薬局では、ドンペリドン錠を処方箋なしで購入いただけます。薬剤師がカウンセリングのうえ、症状に合ったお薬をご提案します。
11.ナウゼリン(ドンペリドン)に関するよくある質問(FAQ)
薬局でよくいただくご質問をまとめました。同じ疑問をお持ちの方の参考になれば幸いです。
Q. ナウゼリンは何錠まで飲んでいい?
成人の場合、1回1錠(10mg)を1日3回までが基本です。自己判断で増量すると副作用のリスクが高まります。
Q. 効果が出ない場合はどうすればいい?
服用後1時間ほど経っても効果を感じないときは、まず食後に飲んでいないか、水と一緒に飲めているかを確認してください。それでも効かない場合は、他の原因(重い胃腸疾患など)が隠れている可能性もあるため、医療機関の受診をおすすめします。
Q. 食後に飲んでも効果はある?
食後に飲んでも効果はありますが、吸収が遅くなり効果発現までの時間が長くなるため、可能な限り食前(食事の15〜30分前)に服用するのが理想です。
Q. 妊娠中・授乳中でも服用できる?
妊娠中は原則として服用しません。授乳中も母乳への移行が確認されているため、使用する場合は医師と相談が必要です。つわりにつかうばあいも自己判断は避け、必ず医療機関にご相談ください。
Q. 二日酔いの吐き気にも効く?
はい、二日酔いの吐き気やむかつきにも効果が期待できます。ただし、アルコールが胃に残っている状態での服用は避け、水分をしっかり摂ったうえで服用してください。
Q. ドンペリドン錠とナウゼリンで効果に差はある?
ドンペリドン錠はナウゼリンのジェネリック医薬品で、有効成分・含有量・効果は同じです。厚生労働省の生物学的同等性試験をクリアしているため、効果に実質的な差はありません。価格が抑えられている分、コストパフォーマンスに優れた選択肢です。
Q. どのくらいの期間飲み続けても大丈夫?
短期間の使用(数日〜1週間程度)は問題ありませんが、長期連用は避けるべきとされています。1週間服用しても症状が改善しない場合は、他の疾患が隠れている可能性もあるため、医療機関を受診してください。
参考文献:

薬剤師 アリス薬局代表
石井 結衣

この記事を書いた人
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