顎下ニキビはどうして出来るの?薬剤師が解説!
更新日:2026年10月22日

顎下に同じようなニキビが繰り返しできたり、触るとしこりのような痛みを感じたりして悩んでいませんか?
大人になってからできる顎下ニキビは、思春期のニキビとは違い、単なる肌トラブルだけが原因ではありません。ホルモンバランスの乱れ、生活習慣、ストレス、胃腸の不調など、体の内側から出ているサインであることも多いのです。
フェイスラインや顎周りは、マスクによる蒸れや摩擦、乾燥などの影響も受けやすく、ニキビや肌荒れが起こりやすい部位です。気になって触ってしまったり、我慢できずにつぶしてしまい、痛みや跡が残ってしまうケースも少なくありません。
この記事では、薬剤師の視点から顎下ニキビができる原因、種類、段階別の治し方、内服薬・外用薬・漢方薬、日常でできるケア方法までわかりやすく解説していきます。繰り返す顎下ニキビにお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
ニキビの種類(進行段階)
ニキビは「毛穴の病気」と言われています。大人ニキビとして挙げられやすいものの一つが顎周りのニキビです。
「白ニキビ」「黒ニキビ」「赤ニキビ」「黄ニキビ」など、耳にしたことはありませんか?ニキビは古い角質が溜まってきて毛穴の詰まりによって出来始めます。
白ニキビ
「白ニキビ」は、ニキビの初期段階にあたり、コメドとも呼ばれます。皮膚が白く盛り上がった状態で、腫れや痛みはほとんどありませんが、適切なケアを行わないと悪化する可能性があります。
お化粧をしっかり落として丁寧にスキンケアを行い、必要に応じてニキビの塗り薬を使用することも有効です。
黒ニキビ
「黒ニキビ」は「白ニキビ」の毛穴に詰まっていた皮脂が出てきて、空気に触れ酸化し黒くなったニキビです。
痛みや腫れはほとんどありませんが、炎症を起こすと赤ニキビや黄ニキビに悪化することがあります。 炎症が強くなったり、無理につぶしたりすると、ニキビ跡や色素沈着が残る可能性もあるため、早めにケアすることが大切です。
赤ニキビ
赤ニキビは、毛穴に皮脂がたまり、アクネ菌が増殖して炎症を起こしている状態です。
赤みや腫れ、痛みを伴うことがあり、悪化すると膿をもつ黄ニキビへ進行することがあります。
黄ニキビ
黄ニキビは、赤ニキビの炎症がさらに進み、膿がたまった状態です。目立ちやすいためつぶしたくなることもありますが、無理につぶすと炎症が悪化し、ニキビ跡や色素沈着が残る可能性があります。
赤ニキビや黄ニキビまで進行すると治るまでに時間がかかることもあるため、できるだけ早い段階からスキンケアや治療を行い、悪化を防ぐことが重要です。
しこりニキビ(嚢腫・硬結)
炎症が皮膚の深い部分にまで達し、硬いしこりのようになったニキビを「嚢腫(のうしゅ)」「硬結(こうけつ)」と呼びます。表面には出てこないため治りにくく、押すと強い痛みを感じます。自己判断でのケアは難しいため、皮膚科の受診をおすすめします。
進行段階と対処法の一覧表
| 段階 | 状態 | 痛み | 主な対処法 |
| 白ニキビ | 毛穴詰まり・膨らみ | なし | 洗顔・保湿・早期の外用薬 |
| 黒ニキビ | 皮脂の酸化・黒点 | なし | ターンオーバー促進・角質ケア |
| 赤ニキビ | 炎症・赤み | あり | 抗炎症薬・殺菌ケア |
| 黄ニキビ | 化膿・膿 | 強い | 抗生剤・清潔保持・潰さない |
| しこりニキビ | 皮膚深部の硬結 | 非常に強い | 皮膚科受診・内服治療 |
顎下ニキビが出来る主な原因
顎下ニキビは、他の部位のニキビと比べて複数の要因が絡み合って発生するのが特徴です。
皮膚の特性だけでなく、ホルモンや生活習慣、ストレスなど内側の要因が深く関係しています。ここでは代表的な原因を「体の内側の要因」「肌・部位の要因」「生活習慣の要因」の3つに分けて詳しく見ていきましょう。
ホルモンバランスの乱れとストレス
顎下ニキビの最大の原因ともいえるのがホルモンバランスの乱れです。女性は生理前に黄体ホルモン(プロゲステロン)が増加し、皮脂分泌が活発になります。男性の場合はテストステロン(男性ホルモン)の影響で、そもそも顎周りの皮脂分泌が多くなりがちです。
また、ストレスは自律神経を乱し、ホルモンバランスにも大きな影響を与えます。慢性的なストレスは男性ホルモンの分泌を促し、皮脂の過剰分泌につながります。加えて、東洋医学では顎周りのニキビは「胃腸の不調」と関連が深いとされており、消化不良や便秘によって体内に老廃物がたまると、肌荒れとして表面に現れやすくなります。
顎という部位の特性と乾燥
顎は顔の中でも汗腺が少なく皮脂腺が多い部位です。汗をかきにくい一方で皮脂は活発に分泌されるため、そもそも毛穴が詰まりやすい構造になっています。
また、乾燥もニキビの大きな原因です。肌が乾燥するとバリア機能が低下し、皮膚を守ろうとして皮脂が過剰に分泌され、結果として毛穴詰まりを起こしてしまうのです。「皮脂が多い=乾燥していない」と誤解されがちですが、実はインナードライ状態が顎下ニキビを招いているケースは非常に多く見られます。
マスク・寝具・シャンプーによる外的刺激
日常生活の中で肌に触れるものが、知らず知らずのうちにニキビの原因になっていることがあります。
マスクの中は蒸れやすく、雑菌が繁殖しやすい環境です。マスクとの摩擦によって肌が刺激され、バリア機能が低下してニキビができやすくなります。同じく、毎日使う枕カバーやシーツには皮脂・汗・雑菌が蓄積しており、顎が直接触れることでニキビの温床になります。週2〜3回は交換し、清潔を保ちましょう。
さらに見落としがちなのがシャンプー・リンスのすすぎ残しです。洗髪時の洗浄成分が顎下やフェイスラインに残ると、毛穴詰まりの原因になります。シャンプー後はしっかりすすぎ、最後に顔を洗う習慣をつけることが大切です。
食生活・睡眠など生活習慣の乱れ
体の内側から作られる肌は、日々の生活習慣を正直に映し出します。
糖質や脂質の摂りすぎは皮脂分泌を促進します。甘いもの、揚げ物、スナック菓子などを頻繁に食べる方は、食生活の見直しが必要です。ビタミンB群やビタミンC、食物繊維を積極的に摂ることを意識しましょう。
また、睡眠不足も大きな要因です。睡眠中は成長ホルモンが分泌され、肌のターンオーバーが行われています。睡眠時間が不足すると肌の修復が追いつかず、ニキビができやすく治りにくい状態が続いてしまいます。1日6〜7時間以上の質の良い睡眠を心がけましょう。
女性の顎下ニキビとホルモンバランスの関係
女性の顎下ニキビは、ホルモンバランスの変化と非常に密接に関係しています。ライフステージごとにホルモンの状態が変化するため、時期に応じたケアが必要です。
生理前の黄体ホルモン(プロゲステロン)増加
生理前になると黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が増加し、皮脂の分泌が活発になります。また、精神的にも不安定になりやすく、ストレスによってさらにホルモンバランスが乱れる悪循環に陥ることもあります。
PMS・生理周期との関連
PMS(月経前症候群)の症状のひとつとして顎下ニキビが現れる方も多くいらっしゃいます。生理が始まると自然に落ち着くケースも多いですが、毎周期繰り返す方は体質改善も検討しましょう。
ピルによる改善の可能性
低用量ピルの服用によってホルモンバランスが安定し、ニキビが改善したり、そもそも出来にくくなったりするケースがあります。婦人科での相談も選択肢の一つです。
妊娠中・産後のホルモン変化
妊娠中や産後はホルモンが大きく変動するため、これまでニキビとは無縁だった方でも顎下ニキビに悩まされることがあります。授乳中は使える薬が限られるため、皮膚科や薬剤師に相談することをおすすめします。
更年期に増える顎下ニキビ
更年期になると女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少し、相対的に男性ホルモンの影響が強くなります。この時期に急に顎下ニキビが増える方も少なくありません。
顎下ニキビの治し方(段階別対処法)
顎下ニキビは進行段階によって適切なケア方法が異なります。ここでは段階別に、具体的な治し方をご紹介します。
白ニキビ・黒ニキビ段階:スキンケア+予防
まだ炎症が起きていないこの段階では、丁寧な洗顔と十分な保湿、ターンオーバーを整えるスキンケアが基本です。ビタミンAやビタミンB2の内服も効果的です。
赤ニキビ段階:抗炎症・殺菌ケア
炎症が起きているため、抗炎症作用のある外用薬(【スタデルムクリーム】など)や、殺菌作用のある薬(【フシジンレオ軟膏】など)を使用します。触らないことも重要です。
黄ニキビ段階:清潔保持・潰さない
膿がたまった状態では、絶対に自分で潰さないことが鉄則です。抗生剤の外用・内服で治療し、清潔を保ちましょう。
しこりニキビ段階:皮膚科受診推奨
自宅ケアでは対応が難しいため、皮膚科での治療をおすすめします。内服の抗生剤やステロイド治療などが選択肢になります。
ニキビ跡段階:色素沈着・瘢痕ケア
赤みや色素沈着にはビタミンC・【トラネキサム酸】の内服、クレーターには美容皮膚科での施術が必要です。跡になってからでは時間がかかるため、跡になる前の予防が最も重要です。
顎下ニキビ改善のための日常ケア
日々の生活習慣を整えることが顎下ニキビ改善の近道です。ここでは「スキンケア」「肌に触れるものの清潔」「体の内側からのケア」「習慣の見直し」の4つの視点から、今日から実践できるケア方法をご紹介します。
正しい洗顔と保湿を意識したスキンケア
スキンケアの基本は洗顔と保湿です。洗顔は必須ですが、ゴシゴシ何度も洗いすぎると必要な皮脂まで落としてしまい、乾燥や皮脂の過剰分泌を招きます。たっぷりの泡でやさしく包み込むように洗い、ぬるま湯でしっかりすすぐのがポイントです。
洗顔後はすぐに化粧水と乳液で保湿を行いましょう。保湿によって肌のバリア機能が高まり、ニキビができにくい肌へと導かれます。スキンケア商品は多くの成分が配合されたものより、低刺激でシンプルな処方のものを選ぶのがおすすめです。あれこれ試すよりも、肌に合うものを長く使い続けることが健やかな肌への近道となります。
肌に触れるもの(マスク・枕・タオル)を清潔に保つ
顎下は日常生活の中で外的刺激を受けやすい部位です。特にマスク・枕カバー・フェイスタオルは、直接肌に触れる時間が長いため、清潔に保つことが重要になります。
枕カバーやフェイスタオルは週に2〜3回は交換し、皮脂や雑菌が蓄積した状態で使い続けないようにしましょう。マスクは肌に優しい素材(綿やシルクなど)を選び、汗をかいたらこまめに交換します。長時間の着用は蒸れの原因になるため、可能な範囲で肌を休ませる時間を作ることも大切です。
食事・睡眠で体の内側から整える
肌は体の内側の状態を映す鏡です。糖質や脂質の多い食事を控え、ビタミンB群・ビタミンC・食物繊維を積極的に摂ることを意識しましょう。緑黄色野菜、豆類、魚などバランスの良い食事が肌の調子を整えます。
また、睡眠中は肌の再生が行われる大切な時間です。1日6〜7時間以上の質の良い睡眠を心がけ、成長ホルモンの分泌を促しましょう。夜更かしや不規則な生活が続くと、どれだけ良いスキンケアをしても効果が半減してしまいます。
ストレスケアと「触らない」習慣づけ
ストレスは肌に正直に現れます。お風呂にゆっくり浸かる、マッサージを受ける、趣味に没頭するなど、自分なりのリフレッシュ方法を見つけて、心と体を癒す時間を意識的に作りましょう。
そして意外と見落とされがちなのが、顎を触らない習慣づけです。頬杖や無意識に顎を触る癖は、手についた雑菌をニキビに移してしまい、悪化の原因になります。意識して触らないようにするだけで、ニキビの治りが早くなることも少なくありません。
顎下ニキビに効く内服薬
ニキビ治療では、外側からのケアだけでなく内側からのアプローチが非常に重要です。ここでは美容皮膚科でもファーストチョイスとして処方される薬剤を中心にご紹介します。
▶ 【肌荒れのお薬の一覧を見る】
シナール配合錠・配合顆粒(ビタミンC+パントテン酸)
ビタミンCとパントテン酸を配合したお薬で、コラーゲンの合成を助け、皮膚の健康維持や傷の修復をサポートします。抗酸化作用が高く、ニキビ跡のケアにも効果的です。
リボフラビン酪酸エステル錠(ビタミンB2)
ビタミンB2は皮膚・髪・爪などの細胞の再生に関与しており、皮脂の分泌を抑える働きがあります。皮脂が多くて悩む方に特におすすめです。
ピリドキサール錠(ビタミンB6)
ビタミンB6はタンパク質の代謝を助け、皮膚や髪、歯の健康維持に役立ちます。ビタミンB2と組み合わせることで、より高い効果が期待できます。
チョコラA錠(ビタミンA)
ビタミンAはお肌の粘膜代謝に関わり、ターンオーバーを促進し、毛穴の引き締めにも効果的です。細かいプツプツニキビが気になる方におすすめです。
ビオチン散
ビオチン(ビタミンH)は皮膚や粘膜の健康維持に欠かせない栄養素です。皮膚炎の予防やニキビ肌の改善に役立ちます。
他にもアリス薬局では、漢方やサプリメントなどもご用意はございますので、一度カウンセリングを行いお客様一人一人に合ったお薬をご提案させていただきます。
顎下ニキビに関するよくある質問(FAQ)
最後に、顎下ニキビに関して患者様からよくいただくご質問にお答えします。
Q. 顎下ニキビは何日で治る?
段階によって異なりますが、白ニキビ・黒ニキビなら1週間程度、赤ニキビ・黄ニキビは2〜3週間、しこりニキビは1ヶ月以上かかることもあります。適切なケアと治療で早期改善を目指しましょう。
Q. 潰してしまったらどうすればいい?
潰してしまった場合は、清潔な状態を保ち、抗生剤入りの軟膏を塗って傷口の感染を防ぐことが重要です。ニキビ跡になるリスクが高いため、その後の保湿とUVケアも徹底しましょう。
Q. 生理前に必ずできるのはなぜ?
生理前は黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が増え、皮脂分泌が活発になるためです。生理周期に合わせて事前にスキンケアを強化したり、ビタミン剤を服用することで予防できる場合があります。
Q. 男性でも同じケアで大丈夫?
基本的なケアは共通ですが、男性は髭剃り後のケアが特に重要です。カミソリ負けを防ぎ、保湿を丁寧に行いましょう。皮脂分泌が多い方はビタミンB2の内服も効果的です。
Q. ニキビパッチは効果ある?
ニキビパッチは触るのを防ぎ、患部を清潔に保つ効果があります。特に膿がたまった黄ニキビには有効ですが、根本的な治療にはならないため、他のケアと併用しましょう。
Q. 皮膚科を受診すべきタイミングは?
しこりニキビができた場合や痛みが強い場合、市販薬や零売薬で2〜3週間ケアしても改善しない場合、跡が残り始めた場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。早期に適切な治療を受けることが、ニキビ跡を防ぐために大切です。
<参考文献>
リボフラビン酪酸エステル錠20㎎「ツルハラ」の詳細についてはこちら
製造販売元
シナール配合錠、シナール配合顆粒 シオノギファーマ株式会社
リボフラビン酪酸エステル錠20㎎、ピリドキサール錠30㎎ 鶴原製薬株式会社
チョコラA錠1万単位 エーザイ株式会社

薬剤師
田淵 あゆみ
零売薬局とは?
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