かかとのひび割れの原因と治し方| 市販薬・病院の薬・セルフケアを薬剤師が解説
更新日:2026年08月28日

「かかとがひび割れて痛くて歩けない」
「ストッキングが引っかかる」
「ケアしてもすぐガサガサに戻る」
そんな深刻なお悩みを抱えていませんか?
かかとのひび割れは、放置すると出血や強い痛みを伴い、日常生活に支障をきたすこともあります。
また、単なる乾燥ではなく、水虫や糖尿病などの病気が隠れているケースもあるため、正しい知識でケアすることが大切です。
本記事では、大阪で処方箋なしで病院の薬が買える零売薬局「アリス薬局」の薬剤師・山田明里紗が、かかとのひび割れについて解説します。
原因や見分け方、治し方、市販薬と医療用医薬品の違い、セルフケアまでわかりやすく紹介します。
1、かかとがひび割れる主な原因
かかとが硬くなり、ひび割れを起こす原因は一つではありません。複数の要因が重なって発症するケースがほとんどです。
・乾燥:かかとは皮脂腺が少なく、水分保持力が低下しやすい部位です。
・体重による圧力・歩行摩擦:日々の負荷で角質が厚く硬くなります。
・加齢によるターンオーバーの低下:古い角質が剥がれ落ちにくくなります。
・入浴時の洗いすぎ・熱いお湯:必要な皮脂まで奪ってしまいます。
・合わない靴・素足でのサンダル使用:摩擦や刺激で角質が厚くなります。
・栄養不足:ビタミンA・E、亜鉛、タンパク質の不足は皮膚の健康を損ないます。
特に冬場は空気の乾燥も加わり、症状が悪化しやすい季節です。
2、かかとのひび割れは病気のサイン?内臓との関係
かかとのひび割れの多くは乾燥が原因ですが、なかには病気が隠れているケースもあります。以下のような病気の可能性を知っておきましょう。
水虫(角質増殖型白癬)
かゆみがほとんどなく、かかとが白くガサガサするタイプの水虫です。乾燥と間違えて保湿剤を塗ると、かえって悪化する可能性があります。
糖尿病
血流障害や神経障害によって皮膚が乾燥しやすくなり、ひび割れから細菌感染を起こすと、最悪の場合壊疽(えそ)に至るリスクもあります。糖尿病の診断を受けている方は、自己判断せず必ず主治医に相談してください。
甲状腺機能低下症
代謝が低下することで皮膚が乾燥しやすくなります。全身のだるさ・むくみ・寒がりなどの症状を伴う場合は内科の受診をおすすめします。
掌蹠角化症(しょうせきかくかしょう)・乾癬(かんせん)などの皮膚疾患
遺伝性・体質性の疾患で、通常のケアでは改善が難しい場合があります。
病院受診の目安
・市販薬・保湿剤で5~6日使用しても改善しない
・出血・強い痛みを伴う
・かゆみ・皮むけ・爪の変色がある
上記に当てはまる場合は、皮膚科の受診をおすすめします。
3、かかとのひび割れと水虫の見分け方
「保湿してもなかなか治らない」というかかとのガサガサは、角質増殖型水虫の可能性があります。乾燥性のひび割れとの違いを表で確認しましょう。
| 特徴 | 乾燥性ひび割れ | 角質増殖型水虫 |
| かゆみ | ほぼなし | ほぼなし(気づきにくい) |
| 症状の出方 | 両足に対称的に出やすい | 片足だけに出ることが多い |
| 皮むけ | 粉をふく程度 | ボロボロと厚く剥がれる |
| 爪の変化 | なし | 白濁・肥厚することがある |
| 季節性 | 冬に悪化 | 通年(夏に悪化することも) |
かさつきやひび割れが保湿剤を塗っても改善しない場合は、水虫の可能性もあります。疑わしい場合は、自己判断せず皮膚科を受診しましょう。
4、痛くて歩けないほどのひび割れの対処法
亀裂が深くなり、出血や強い痛みで歩行が困難になることもあります。以下の応急処置を参考にしてください。
応急処置の手順
・ぬるま湯でやさしく洗い、患部を清潔に保つ
・清潔なタオルで水分をしっかり拭き取る
・液体絆創膏や保護テープで亀裂を覆う
・その上から保湿剤を塗り、靴下で保護する
やってはいけないNG行動
・硬くなった皮膚を無理に剥がす
・軽石・ヤスリで強くこする
・熱いお湯に長時間浸かる
・絆創膏を貼らず放置する
すぐに病院受診すべきサイン
・出血が止まらない
・患部が赤く腫れて熱を持っている(感染の疑い)
・膿が出ている
5、かかとのひび割れに効く有効成分
かかとのケアに使われる主な有効成分と、その特徴を解説します。
尿素
・角質の水分保持増加作用
・角質崩壊剥離作用
厚くなった角質を薄くし、皮膚をしっとりやわらかくさせることで、皮膚を正常な状態に近づけます。ゴワゴワした頑固な硬さに適しています。
ヘパリン類似物質
・高い水分保持能力:皮膚の水分含有量を増加させます。
・真皮層まで届く浸透力:一般的な化粧品は角質層までしか作用しませんが、ヘパリン類似物質は皮膚の奥まで浸透します。
・血行促進作用:新しい肌細胞を作るための栄養が届きやすくなります。
参考文献:ヒルドイドの経皮吸収に関する実験 医事日報社 薬物療法 第9巻 第12号 1976年
ビタミンE
血行を促進し、皮膚の新陳代謝をサポートします。冷えを伴う乾燥にもおすすめです。
ワセリン(白色ワセリン)
皮膚表面を油分で覆い、水分の蒸発を防ぎます。刺激が少なく、亀裂部分の保護に適しています。
症状別・成分の選び方
| 症状 | おすすめの成分 |
| 軽度の乾燥・粉ふき | ヘパリン類似物質 |
| ゴワつき・厚い角質 | 尿素 |
| 亀裂・出血がある | ワセリン+液体絆創膏で保護 |
| 冷え・血行不良を伴う | ヘパリン類似物質・ビタミンE |
まずは自身の症状に合わせて、成分を選ぶと良いでしょう。
6、かかとのひび割れに効く市販クリーム・医療用医薬品
尿素配合の医療用医薬品
ケラチナミンコーワクリーム/パスタロンクリーム/ウレパールクリームなど
効能効果(承認):魚鱗癬、老人性乾皮症、アトピー皮膚、進行性指掌角皮症(主婦湿疹の乾燥型)、足蹠部皸裂性皮膚炎、掌蹠角化症、毛孔性苔癬
使い方:1日1〜数回、患部に塗布
注意点:傷や亀裂が深い部分に塗るとしみることがあります。
▶ ケラチナミンコーワクリームの商品詳細はこちら
ヘパリン類似物質配合の医療用医薬品
ヒルドイドソフト軟膏など
効能効果(承認):血栓性静脈炎(痔核を含む)、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患、凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、進行性指掌角皮症、皮脂欠乏症、外傷後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎、筋性斜頸(乳児期)
ヘパリン類似物質のお薬には、「軟膏」「クリーム(ソフト軟膏)」「ローション」「フォーム(泡)」「スプレー」など、いくつかの種類(剤形)があります。有効成分は同じでも、使用感や適した部位が異なるため、症状や塗る場所に合わせて選ぶことが大切です。
| 剤形 | 特徴 | こんな方・部位におすすめ |
| 軟膏 | 油分が多くこっくりとしたテクスチャー。
皮膚をしっかり覆って水分の蒸発を防ぎ、保護力が高い。 |
・ひび割れ・亀裂がある方
・かかとなど乾燥が特にひどい部位 ・敏感肌・小さなお子様 |
| クリーム(ソフト軟膏) | 油分と水分をバランスよく含み、伸びがよくベタつきにくい。「ヒルドイドソフト軟膏」はこのタイプ。 使用感がよく、日常使いしやすい。 |
・毎日こまめに塗りたい方
・ベタつきが苦手な方 ・顔・手・かかとなど幅広い部位 |
| ローション | 水分が多くサラッとした液状。 伸びがよく、広い範囲に素早く塗れる。 |
・背中・腕・脚など広い範囲
・夏場やベタつきが気になる時期 ・毛が生えている部位 |
| フォーム(泡) | ムース状の泡で出てくるタイプ。 肌にのせるとスッと溶け込み、塗り広げやすい。 |
・広範囲を手早くケアしたい方
・すね・腕など毛のある部位 ・手を汚したくない方 |
| スプレー | 手を使わずシュッと吹きかけられる。 背中など手の届きにくい部位にも便利。 |
・背中など塗りにくい部位
・手を汚したくない方 |
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かかとのひび割れにはどれを選べばいい?
・亀裂・出血がある重症のかかと → 軟膏タイプがおすすめ。皮膚をしっかり覆って保護してくれます。
・ゴワつき・乾燥はあるが、亀裂までは至っていないかかと → クリーム(ソフト軟膏)が使いやすくおすすめです。
・かかとに加えて、脚全体もカサつく方 → ローションやフォームで広範囲にケアするのも◎
「どれを選べばよいかわからない」という方は、症状や塗る部位に応じて薬剤師がご案内いたしますので、お気軽にご相談ください。
7、かかとのひび割れの治し方・セルフケア方法
かかとのひび割れを改善するためには、お薬に頼るだけでなく、日々のセルフケアが非常に重要です。
特に「保湿のタイミング」「角質ケアの方法」「就寝時のケア」を正しく行うだけで、改善スピードが大きく変わります。ここでは、薬剤師の視点から効果的なセルフケアの方法をご紹介します。
入浴後の正しいケア手順
お風呂上がりは、かかとケアのゴールデンタイムです。
角質が水分を含んでやわらかくなっているため、保湿成分が浸透しやすく、ケアの効果を最大限に引き出すことができます。以下の手順を意識してみましょう。
・お風呂で角質をやわらかくする(38〜40℃のぬるま湯が理想)
・水分をタオルでやさしく拭き取る
・タオルで拭いたらすぐ保湿剤を塗布する
・気になる部分はラップパックで密封
正しい角質ケア
厚くなった角質を落とすことは大切ですが、やりすぎは逆効果です。皮膚は刺激を受けると「守ろう」として、かえって角質を厚くしてしまう性質があります。以下のポイントを守り、優しくケアしましょう。
・軽石・ヤスリの使用は週に1〜2回まで:毎日の使用は皮膚を傷つける原因になります。
・入浴後の柔らかい状態で行う:乾いた状態で削ると角質を傷めやすくなります。強くこすらず、優しく撫でるように:一方向に軽く動かすのがコツです。
・削りすぎは逆効果:一度に落とそうとせず、少しずつ整えるイメージで。
就寝時のケア
睡眠中は肌の修復・再生が活発になる時間帯です。この時間を有効活用することで、日中のダメージをリセットできます。
保湿剤をたっぷり塗った後にかかと保護ソックスや綿の靴下を履いて眠ると、密封効果によって成分が浸透しやすくなり、翌朝のしっとり感が違います。市販のジェル入りかかとソックスもおすすめです。
靴選び・インソール
意外と見落とされがちなのが「靴」の影響です。かかとへの圧力や摩擦は、角質を厚くさせる大きな要因になります。
サイズが合っていない靴、底が薄い靴、硬い素材の靴は、かかとに負担をかけ続けます。クッション性のあるインソールを活用したり、自分の足に合った靴を選ぶことで、圧力を分散させ、ひび割れの悪化を防ぐことができます。
食事・栄養
外側からのケアと同じくらい大切なのが、内側からの栄養補給です。皮膚は毎日新しく生まれ変わっており、その材料はすべて食事から摂る栄養素で作られています。以下の栄養素をバランスよく摂取しましょう。
・タンパク質:肌そのものを作る原料(肉・魚・卵・大豆製品)
・ビタミンA:皮膚のターンオーバーを促進(緑黄色野菜・レバー・うなぎ)
・ビタミンE:血行を促進し、皮膚に栄養を届ける(ナッツ類・アボカド・植物油)
・亜鉛:皮膚の修復・再生をサポート(牡蠣・赤身肉・チーズ)
栄養が偏っていると、どれだけ保湿してもなかなか改善しないケースもあります。「最近、外食やコンビニ食が続いているな…」という方は、食生活を見直してみるのも大切なケアの一つです。
8、かかとのひび割れを予防する日常習慣
かかとのひび割れは、一度治っても生活習慣が変わらなければ再発しやすいのが特徴です。ケアだけでなく予防も意識することで、健やかなかかとを保ちやすくなります。ここでは、今日からすぐに取り入れられる予防習慣をご紹介します。
乾燥を感じる前にこまめに保湿
入浴後・洗顔後・手洗い後など、水を使ったあとは必ず保湿する習慣をつけましょう。「乾いてから塗る」ではなく「乾く前に塗る」が鉄則です。
熱すぎるお湯(42℃以上)は避ける
熱いお湯は皮脂を奪い、乾燥を加速させます。ぬるめのお湯で全身の潤いを守りましょう。
ナイロンタオルでゴシゴシ洗わない
かかとを含め、体は手や柔らかいタオルでやさしく洗うのがおすすめです。強い摩擦は角質を厚くする原因になります。
月1〜2回の角質ケアで厚みを予防
角質が厚くなる前に少しずつケアすることで、ひび割れが起こりにくい状態を維持できます。
綿・シルクなど通気性のよい靴下を選ぶ
化学繊維は蒸れや静電気で乾燥を悪化させることがあります。天然素材の靴下は肌にやさしく、保湿ケアとの相性も◎です。
素足でのサンダル使用を控える
素足でサンダルを履くと、外気による乾燥や摩擦でかかとが硬くなりやすくなります。夏場もインナーソックスを活用するのがおすすめです。
これらの習慣は、どれも特別な道具や時間を必要としません。「毎日の小さな積み重ね」が、つるつるでやわらかいかかとを保つ最大の秘訣です。
9、かかとのひび割れに関するよくある質問(FAQ)
Q. かかとのひび割れから血が出たらどうすればいい? まず患部を清潔に洗い、乾かした後に液体絆創膏や保護テープで覆いましょう。出血が止まらない場合や、赤く腫れて熱を持っている場合は皮膚科を受診してください。
Q. 何日くらいで治りますか?
軽度の乾燥であれば1〜2週間の保湿ケアで改善が期待できます。ただし、亀裂が深い場合や角質が厚い場合は1ヶ月以上かかることもあります。改善が見られない場合は医師に相談してください。
Q. 子ども・高齢者にも同じ薬を使える? ヘパリン類似物質は乳児から高齢者まで幅広く使用できます。一方、尿素製剤は刺激感が出る場合があるため、小児や皮膚が敏感な方は薬剤師にご相談ください。
Q. ヒルドイドと尿素クリームは併用できる? 併用は可能です。おすすめは、入浴後にヒルドイドを塗って水分を補い、乾燥が強い部分に尿素クリームを重ねる方法です。ただし、亀裂部分に尿素製剤はしみることがあるため注意してください。
Q. 皮膚科を受診する目安は?
①市販薬で5~6日ケアしても改善しない、②出血・強い痛みがある、③かゆみや皮むけを伴う、④片足だけに症状が出ている、⑤糖尿病などの持病がある場合は皮膚科の受診をおすすめします。
参考文献

薬剤師
山田 明里紗

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